けんちゃん先生のおやさい知恵袋[さつまいも]

けんちゃん先生のおやさい知恵袋[さつまいも]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、野菜の豆知識を教えてくれる「おやさい知恵袋」。今回は「さつまいも」についてあれこれ聞いてみました。
それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!​
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「チンゲン菜」編、参考になりましたか?
まだの方は、こちらからチェックしてみてくださいね♥
さて、今回ご紹介するのは…

さつまいもって、この時季無性に食べたくなりますよね。焼き芋はもちろん、天ぷらやスイーツにしてもおいしい秋ならではの食材です。ということで、今回はさつまいものいろいろ、教えちゃいます~!

さつまいもの選び方(目利き)

●色が濃く鮮やかで真ん中が太いもの
一般的な紫色のさつまいもは、色が濃くて鮮やかなものが健康に育った証拠です。写真のように、真ん中が太く、両端につれて細くなる形(紡錘形・ぼうすいけい)を選ぶようにしましょう。一見、丸くてコロンとした形の方が甘そうに見えますが、実は紡錘形の方が太陽光の届きやすい地面に近いところで育った確率が高く、身を守ろうと糖を蓄えている可能性が高いんです♡ちなみに、さつまいもの表面にある凸凹は繊維質が多い証拠なので、傷や凸凹のないものを選ぶと良いですよ。

●さつまいもの切り口に蜜の跡があるもの
切り口(さつまいもの先端)にあめ色の蜜が出ていたり、蜜が乾いて黒くなった跡があったりしたら、蜜が詰まって、おいしいさつまいもの証! ただし、皮の部分に黒い斑点や黒いくぼみができている場合はすでに傷んでしまっているので、その部分を取り除いてもおいしくないです (+_+)

さつまいもの皮にも栄養あり!

さつまいもは低GI値の食品で、食べた後の血糖値の上昇がゆるやかなのが特徴です。甘みのある食品なのに、内臓脂肪になりにくい優れた食材と言えます。
また、さつまいもの皮にも栄養があるってご存じですか? 独自成分の“ヤラピン”が含まれていて、胃の粘膜を保護したり、腸の動きを助けたりする働きがあります。せっかくなので、皮まで食べてくださいね♪

さつまいもの保存方法

さつまいもは20℃を超えると発芽しやすくなるので、冷暗所で保存するようにしましょう。
比較的日持ちしやすい食材ですが、もし冷凍したい場合は、加熱(ゆでたり、蒸したり、焼き芋にしたり)してから保存するといいですよ。

低温加熱で甘みアップ♡

さつまいもは60〜70℃で長時間加熱すると甘みがアップします。石焼き芋が甘くなるのは焼き石を利用して60〜70℃で長時間加熱しているから。
家庭では、オーブンや炊飯器※などを使用すると甘くなりやすいです。
オーブンを使用する場合は、さつまいもを皮付きのまま洗い、アルミホイルに包んで予熱なしの160℃で90分加熱すると、とっても甘い焼き芋ができますよ~♬
※炊飯器を使用する場合は、炊飯以外の調理に対応しているかを取扱説明書でご確認ください。

さつまいも内のβアミラーゼ(消化酵素)は、でんぷんを麦芽糖(水飴の主成分・甘さが強い)にすることで甘くなります。βアミラーゼが働く温度は40〜70℃なので、さつまいもをその温度に保つほど甘さも増していきます。

品種によってどう使い分ける?

さつまいもの品種もさまざま。代表的な品種の特徴とおすすめの調理法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね♡

◆安納芋・シルクスイート【ねっとり系】
焼き芋や芋ようかんなどにおすすめ。

◆紅はるか【しっとり系】
焼き芋やスイートポテト、さつまいもモンブランなどにおすすめ。

◆金時・紅あずま【ほくほく系】
天ぷらや煮物、さつまいもサラダ、焼き芋などにおすすめ。


収穫したてはまだ水分が多く、でんぷんの糖化が進んでいないため、本来の味を十分に味わうことはできません。目安ですが数週間から1カ月ほど寝かせて追熟させることでグッと糖度が増し、よりおいしくなりますよ。その際、土が付いた状態で新聞紙にくるんでおくのがおすすめです♡

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
〈ホームページ〉
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja