けんちゃん先生のおやさい知恵袋[里芋]
管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、野菜の豆知識を教えてくれる「おやさい知恵袋」。今回は、「里芋」について、あれこれ聞いてみました。
それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!
はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「なす」編、参考になりましたか?
まだの方は、こちらからチェックしてみてくださいね♥
さて、今回ご紹介するのは…
秋から冬にかけて旬を迎える里芋。下処理が面倒なイメージがあるので、敬遠しがちな方も多いのではないでしょうか? でも、せっかく旬の今、煮物にしたり豚汁に入れたりして、ぜひホクホクの里芋を味わってほしい♡
そこで今回は、里芋の魅力と豆知識をたっぷり紹介しちゃいます~♪
里芋の目利き(見分け方)
●泥付きでしっとりしたもの
里芋は皮付き・泥付きのものが乾燥しにくく鮮度が保たれやすいため、長持ちします。少~し湿ったものを選ぶと良いですよ。ただし、袋売りの場合、内部が湿って曇っていたり水滴が付いたりしているものは避けましょう。袋に水気が付いてしまっていると、傷みの原因になります。
●丸くてずっしり重いもの
形が丸っとしていて、固くずっしりと重みのあるものがGood! こぶやひび割れがないものを選びましょう。ひび割れしている部分は固くなっていて、調理してもやわらかくならないのでご注意を。
注目の栄養「ガラクタン」
里芋と言えば、皮をむく時のあの独特のぬめりが苦手な方も多いのでは? でも実は、そのぬめりに、水溶性食物繊維である「ガラクタン」が含まれているんです。
「ガラクタン」(ガラクタ…ではないですよ~💦)には
①コレステロール値の上昇を抑制する働きがある
②血圧を下げる働きがあるとされ、高血圧予防が期待できる
③免疫に働きかけ、免疫力を高める効果が期待できる
と言われています。
そう言われると、ぬめりも大事に味わいたくなっちゃいますね。
ちなみに、里芋にはレタスの2倍以上の食物繊維が含まれているんですよ。わーぉ、うれしい栄養♪
里芋の上手な保存方法
●冷蔵庫での保存はNG!
里芋は意外とデリケートで、寒さや乾燥に弱いので、泥付きのまま冷暗所で保存しましょう。新聞紙で包んで保存すると、適切な温度が保ちやすいですよ。冷蔵庫に入れると低温障害を起こすのでNG! 暑すぎず寒すぎない環境で保存すれば、1~2カ月程度保存可能。水気や高温多湿、低温や乾燥に注意してくださいね。
●下ゆでして冷凍保存も
皮をむいて下ゆでしたら、水気をよく切ってから冷凍保存も可能です。
煮物用サイズや汁物用の薄切りに切ってから冷凍すると使いやすいですよ。
常温保存で知らぬ間に「やわらかくなっていた!」(傷むとやわらかくなります!!)なんてことがないように、1週間以上使いそうにないときは、早めに冷凍するのがおすすめです。
里芋の赤い斑点って!?
里芋は寒さに弱いため、低温障害が起きてしまうと皮むいたときに赤い斑点が出る場合があります。これは、里芋に含まれるポリフェノールが酸化して鮮度が落ちているサインです! 赤い部分はいくら煮てもゴリゴリと固いままなので、調理前に取り除きましょう。すでに皮がむいてあるものを購入する場合は、白いものを選んでくださいね。
皮付き丸ごとゆでのポイント
①里芋の表面をしっかり洗い、包丁で縦に1周切り込みを入れる(皮がむきやすくなります)。
②鍋に里芋を入れ、被るくらい水を入れて中火にかけ、20~30分竹串が通るまでゆでて、皮をむく。
こうやってゆでると、ホックホクでと~~ってもおいしくなりますよ。
料理教室では、この方法でゆでてから煮物やコロッケに♪とお伝えしていますが、個人的にはそのままでマヨネーズ(チーズでも)と青のりをかけて食べるのが好きだったりもします♡クセ強め~!でもこれがおいしいんです~♪
「皮付き丸ごとゆで」、時間があるときにぜひぜひ試してみてくださいね。
profile
嘉村健志(かむらけんし)さん
管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
〈ホームページ〉
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja