けんちゃん先生のたべもの知恵袋[納豆]

けんちゃん先生のたべもの知恵袋[納豆]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、食べ物の豆知識を教えてくれる「たべもの知恵袋」。今回は、「納豆」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回のたべもの知恵袋「たまご」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック♡ さて、今回は…

肉や魚、たまごと並んで良質なタンパク質が豊富な大豆!「畑の肉」とも呼ばれる大豆を納豆菌によって発酵させたものが納豆です。古くは縄文時代から食べられていたという説もあり、日本人にとっては本当に馴染みの深い食べ物ですよね。今回はそんな納豆の豆知識をた~っぷりお伝えします!

納豆って1日どのくらいまで食べていいの?

厚生労働省の指標(※)では、納豆を含む豆類は1日100g摂取することが目標とされています。つまり、1パック40gの納豆の場合、約2パックが目安。とはいえ個人的には納豆は1日1パックにして、不足分は他の豆類を食べてほしいなぁと思っています♪

(※)引用元:厚生労働省 21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21)

押さえておきたい!納豆の栄養

納豆にはタンパク質やビタミンB群、ビタミンEやK、カルシウム、鉄分、マグネシウム、カリウム、食物繊維、ナットウキナーゼ、大豆レシチン、イソフラボンなど栄養が豊富に含まれます。特に納豆特有のナットウキナーゼは、血栓を解消して血流を改善し、血圧を下げる効果があると言われています。
また、大豆レシチンは肝臓の機能向上や高コレステロール値の低下に、イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た化学構造と働きをし、更年期の不調や骨粗しょう症、ホルモンが関連する疾患などの予防が期待できると言われているんですよ〜♪

ひきわりと粒で栄養価が違う!?

実はひきわり納豆は、粒納豆と比べて、ビタミンE、Kが多いんです!(びっくり~!!)

これは、粒納豆とひきわり納豆の「発酵の仕方」の違いによって栄養素に差が出ているからだとか。粒納豆は大豆一粒ずつ発酵させるのに対して、ひきわり納豆は大豆を砕いてから発酵させるので表面積が広がります。そのためひきわり納豆の方が粒納豆に比べてビタミンEやKが多いと考えられています。

ちなみに、ビタミンEは強い抗酸化作用を持つため、体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜の健全化などの働きがあると言われています。また、ビタミンKは骨の形成を助けたり、血管の健康を維持する働きがあります。
つまり!「血液サラサラになりたい」「悪玉コレステロールを減らしたい」「骨や歯を丈夫にしたい」という方は、ひきわり納豆を食べる方がより効率的に栄養をとることができるんですよ〜! 

納豆と相性の良い食べ合わせは?

●青ねぎは◎
青ねぎに含まれる硫化アリル(アリシン)は、納豆に含まれるビタミンB1の吸収率をアップすると言われていて、相性バッチリ! 青ねぎは納豆にほとんど含まれていないビタミンCも豊富なので、ぜひ一緒に食べてくださいね♡

●生たまごは△
生たまごの卵白に含まれるアビジンというタンパク質が納豆に含まれるビオチン(ビタミンBの一種)の吸収を妨げてしまうので、食べ合わせとしては△。卵黄だけや加熱したたまご(卵白)との食べ合わせであれば問題ありませんよ〜♡

●ミニとまとは◎
ミニとまとにもビタミンCが豊富に含まれているため、納豆と一緒に食べると効果的です!とまとよりミニとまとの方がビタミンCが多いので、できればミニとまとと食べ合わせるのがおすすめです♪

⚫︎炊き立てのご飯や熱を通すのは△
ナットウキナーゼは50℃以上で活性が低下し始め、70℃を超えると失活・死滅してしまうと言われています。熱々の料理や白ご飯に納豆をのっけちゃうともったいないので、適温に冷ましてから一緒に食べてくださいね〜。

食べるなら朝or夜?

管理栄養士の観点で言うと、ズバリ夜納豆がおすすめ!

理由1:ナットウキナーゼで血液サラサラ
就寝時の夜から明け方にできやすい血栓をナットウキナーゼができにくくしてくれると言われているから!

理由2:アンチエイジングにも
納豆に含まれるアルギニン(アミノ酸)には成長ホルモンの分泌を促進してくれる働きがあると言われているから!
成長ホルモンは夜間に多く分泌され、細胞の修復を促してくれるので、アンチエイジングの働きが期待できますよ~♡

☑️混ぜる回数は多い方がいいの?
納豆の混ぜる回数で栄養に差は出ませんが、混ぜる回数が増えることで空気を含んで口当たりは良くなります♡
あまり考えすぎず、お好みの食べ方でおいしく召し上がれ♪

☑️納豆は冷凍保存できる?
納豆は冷凍保存もできちゃいます! パックのままポリ袋などに入れ、空気を抜きながら封をして冷凍庫へ。なるべく空気に触れないように冷凍するとおいしさがキープできますよ〜! 1カ月ほどは保存可能。食べるときは自然解凍してどうぞ♪

納豆嫌い克服!?のコツ

納豆はにおいに特徴があるので苦手なお子さんも多いですよね。そんな納豆嫌いの子どもでも、もしかしたらこの方法で克服できるかも? ぜひ試してみてくださいね♪

1. 海苔などの海産物を加える
納豆の風味をやわらげつつ、海苔の旨みが加わって食べやすくなります。

2. キムチなどの発酵食品を加える
キムチの酸味や辛味が納豆の風味をやわらげてくれます。小さなお子さんには甘めのキムチでもOK!

3. 加熱して風味をやわらげる
加熱するとナットウキナーゼは損なわれますが、加熱することで納豆特有の風味が飛び、油のおかげでコクが増して食べやすくなるんです♡ 納豆のかき揚げや納豆の油揚げ包み焼き、納豆餃子などにすると、もしかしたら食べられるかも!?

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja