けんちゃん先生のたべもの知恵袋[チーズ]

けんちゃん先生のたべもの知恵袋[チーズ]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、食べ物の豆知識を教えてくれる「たべもの知恵袋」。今回は「チーズ」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回のたべもの知恵袋「ナッツ類」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック♡ さて、今回は…

主に牛乳などの乳を原料とするチーズ。原料や製法、作られる国などの違いにより、世界中に約1000種類以上あると言われています。おやつやおつまみとして生で食べたり、ピザやグラタンなどにのせて加熱して食べたり、ケーキやクッキーなどお菓子の材料にしたりと、さまざまな料理に活用できる万能食材ですよね。今回は、そんなチーズの豆知識をた~っぷりお伝えします!

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは?

チーズの種類は大きく分けると、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2つ。まずは知っているようで意外と知らないそれぞれの違いを紹介していきますね♪

⚫︎ナチュラルチーズ
牛などの乳を乳酸菌や酵素を加えて凝固させ、水分を除いて発酵・熟成させたもの(一部熟成させないものもあり)。
代表例:モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、パルメザンチーズ(粉チーズ)など

⚫︎プロセスチーズ
ナチュラルチーズを砕いて、加熱、乳化させて再成形したもの。加熱によって乳酸菌は死滅するため発酵が進むことはなく、ナチュラルチーズと比べると保存性に優れています。
代表例:スライスチーズ、6Pチーズ、ベビーチーズ、スモークチーズなど

チーズはなぜ伸びるの?

ピザなどでよく見られる加熱すると糸を引くようにびよ〜んと伸びるチーズ。一般的には、モッツァレラなどのナチュラルチーズが伸びやすく、プロセスチーズが伸びにくいと言われています。

伸びるチーズと伸びないチーズの違いは、原料である(牛)乳に含まれるカゼインというたんぱく質の構造にあります。

チーズを加熱した時、たんぱく質が粗い網目状だと伸びやすく、細かい網目状で鎖のようにつながっていると途中で切れやすく、伸びにくいとされているんですよ。

気になるチーズの栄養

一般的に100gのチーズを作るためには、その10倍(約1リットル)の(牛)乳が必要だと言われています。チーズには(牛)乳に含まれる栄養が濃縮されているんですね~!
チーズはたんぱく質やカルシウム、鉄、カリウム、ビタミンC以外のビタミン類など、豊富な栄養素をバランスよく含んでいるとっても優秀な食品! 特にカルシウムは吸収率と含有量のバランスがよく、カルシウムを効率よく摂取したい人におすすめの食品です。

また、下の表からも見て分かるように、チーズの種類によってカルシウムの含有量には差があります。カタクチイワシなどの小魚にもカルシウムが豊富に含まれているので、上手に組み合わせてとるとより効率的ですよ〜♡

僕のおすすめは、たんぱく質とカルシウムの含有量がチーズの中で最も多いパルメザンチーズを料理やスープ、お菓子などにちょい足しすること。常備しておくと、必要に応じて手軽にカルシウムが補えるので便利です(ウフフ❤)

チーズの正しい保存方法

⚫︎基本は冷蔵保存
チーズは基本的に乾燥しないようにラップに包むか保存袋に入れてから冷蔵保存しましょう。乾燥すると風味が落ちるので要注意! ニオイが付きやすいので、ニオイの強いものとは一緒に保存しないでくださいね。

⚫︎ピザ用チーズは冷凍
ピザ用のとけるチーズなどは、開封したら冷凍庫で保存するのがおすすめ! カビが生えにくくなることに加え、凍ったまま調理に使用できるので手軽です♪ 冷凍しても風味はほぼ変わらないのもうれしいポイント♥

⚫︎パルメザンチーズは常温保存
冷蔵庫に入れると固まりになりやすいパルメザンチーズは、直射日光が当たらない乾燥した場所で常温保存がベスト。どうしても長期保存したい場合は、小分けにして保存袋などに入れれば冷凍保存もできますよ!

カビで覆われたチーズって害はないの?

本来、カビの生えた食品は食べられないものとして扱われますが、チーズにはカマンベールチーズやブルーチーズのように、カビが繁殖していても食べられるものがありますよね。

実はそれ、チーズに繁殖する「ペニシリウム」というカビの安全性が確認されているからなんです!

ただし! これは適切に衛生管理された環境下で製造されたチーズに限った話。購入後に生えたカビはまったく別物で、開封後や賞味期限間近、正しく温度管理ができていないチーズには毒性のあるカビが生えやすくなっています。

ごく一部にしかカビが生えてないように見えても、見えない部分までカビが侵食している可能性があるので、絶対に食べないようにしましょうね〜!

牛乳でおなかがゴロゴロする人はチーズでもそうなる?

牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする人の主な原因として、牛乳に含まれる乳糖を分解できないからだと言われています。チーズも同じ乳製品ですが、チーズを作る際に乳酸菌が乳糖を消費してくれるので、牛乳と比べるとおなかがゴロゴロなりにくいと言われているんですよ。乳製品全般に苦手意識がある方でも、チーズなら食べられるかも♪ まずはちょっとずつ試してみてくださいね♥

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja