けんちゃん先生のたべもの知恵袋[ナッツ類]

けんちゃん先生のたべもの知恵袋[ナッツ類]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、食べ物の豆知識を教えてくれる「たべもの知恵袋」。今回は「ナッツ類」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回のたべもの知恵袋「小麦粉」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック♡ さて、今回は…

“ナッツ”とは硬い殻に包まれた植物の種子や果実の総称で、代表的なものとしてアーモンド、カシューナッツ、くるみ、マカダミアナッツなどがあります。おつまみにもおやつにもなって栄養価も高いナッツ類。今回は、そんなナッツ類の豆知識をた~っぷりお伝えします!

ナッツって木の実のどの部分!?

ナッツというと一般的に「木の実」を食べているイメージがあるかもしれませんが、実際には木の実の種の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分を食べているんです。ナッツって何層にも大事に包まれたところにあるんですね〜♡

●ピーナッツはナッツじゃない!
ピーナッツとナッツ類はひとくくりにされがちですが、 じつは、地面の中で実がなるのでピーナッツは豆類に分類されるんです(びっくり~!!) 僕も初めて聞いた時は、名前に“ナッツ”と付いているのに“違うんかーい”ってツッコミました! でも見た目や栄養成分がナッツに似ているので、仲間として扱われることが多いようです。

ナッツ類の栄養

ナッツ類全体で共通して言える栄養として、
①低糖質
②不飽和脂肪酸を含んでいる
③食物繊維が豊富に含まれている
などがあります。さらに代表的なナッツの特徴として以下のようなものがあります。

⚫︎アーモンド

・ビタミンEや食物繊維、ビタミンB2、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、葉酸などを多く含む
・ナッツ類の中ではカロリーがやや低めでたんぱく質多め

\こんな方におすすめ/
「アンチエイジングを意識したい」
ビタミンEには抗酸化作用、食物繊維には腸内環境を整える効果、さらに、不飽和脂肪酸には動脈硬化予防、ビタミンB2には脂質の代謝向上など、アンチエイジングを意識したい方にうれしい栄養がたっぷり含まれています。

⚫︎カシューナッツ

・鉄分や亜鉛、葉酸、ビタミンB1などを多く含む
・ナッツ類の中ではカロリーがやや低めでたんぱく質多め

\こんな方におすすめ/
「貧血気味」
鉄分や亜鉛、葉酸が含まれているため、貧血の予防と改善が期待できます。

⚫︎くるみ

・葉酸や、体内で作れない必須脂肪酸※、ビタミンEを多く含む
 ※n-6系多価不飽和脂肪酸リノール酸やn-3系多価不飽和脂肪酸α-リノレン酸

\こんな方におすすめ/
「コレステロール値が気になる」
必須脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、血中コレステロールを低下させる働きがあると言われています。

●マカダミアナッツ

・オレイン酸(一価不飽和脂肪酸)を多く含む
・カリウムも含む

\こんな方におすすめ/
「肌の乾燥が気になる」
人の皮脂の原料になるオレイン酸が豊富で、肌の潤いを守る働きが期待でき、乾燥やトラブルを防ぐのに役立つと言われています。

相性のよい食べ合わせでより効果的に♪

⚫︎ナッツ類(特にアーモンド)とヨーグルト

ナッツ類(特にアーモンド)にはマグネシウム、ヨーグルトにはカルシウムと乳酸菌が含まれます。乳酸菌によって腸内環境を整えながら、カルシウムがマグネシウムの吸収を助け、さらにマグネシウムがカルシウムの働きを助ける役割があるので、一緒に食べることで相乗効果が期待できます。

⚫︎ナッツ類(特にアーモンド)とドレッシングなどの油類

アーモンドに含まれるビタミンEは脂溶性ビタミンなので、ドレッシングに含まれる油分と一緒に摂ると吸収力が高まり効率的です♪

⚫︎ナッツ類と発酵食品
ナッツ類に含まれる食物繊維と発酵食品に含まれる乳酸菌が腸内環境を整えてくれます。チーズやキムチ、納豆などに合わせて食べると◎ですよ〜♪
また、ミックスナッツのぬか漬けは理にかなった食べ合わせの一つ。ぬか床をお持ちの方は3日ほど漬けてみてくださいね。

栄養が台無し?! ナッツ類の相性の悪い食べ合わせ

⚫︎ナッツ類と玄米やごぼうなど
ナッツ類に含まれるマグネシウムは玄米やごぼうに含まれる食物繊維と一緒に摂ると吸収を阻害される可能性があります。マグネシウムを積極的に摂りたい人はナッツ類を食べるときは食物繊維が多い食材は避けましょう。
※マグネシウムには、筋肉や血管の働きを支え、神経伝達を正常にするなどの働きがあります。

⚫︎加熱に弱い栄養素あり
ナッツ類に含まれる必須脂肪酸は加熱に弱い性質があります。加熱調理に使用する際は短時間での調理を意識しましょう。

1日にどのくらい、どのタイミングで食べるといい?

⚫︎目安は手のひらに軽く1杯
ナッツ類はカロリーが高いので、おいしいからと言って食べ過ぎには注意が必要です。ナッツの種類によって含まれるカロリーは違いますが、手のひらに軽く1杯を目安にしましょう。
3食バランスよく食べた上で、プラスで摂りましょうね♪

⚫︎食事の30分〜1時間前
食べる時間帯は、食事やおやつの30分〜1時間前がベストです!
ナッツに含まれる食物繊維や不飽和脂肪酸が血糖値の急上昇を防いでくれると言われています。また、ナッツは腹持ちがいいので、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

夏場は未開封でも冷蔵庫へ!ナッツの保存方法

開封したナッツは必ず冷蔵庫へ! 未開封のナッツは高温多湿と直射日光を避けて常温で保存しましょう。ただし、夏場は高温などで酸化しやすくなるので未開封でも冷蔵庫保存がおすすめです。
食べる前に冷蔵庫から出して常温に戻すと、香りも良く、おいしくいただけますよ〜♪

ちなみに、ケーキ作りでよく使われる「アーモンドパウダー(アーモンドプードル)」は開封したら“冷凍”保存がオススメ! 開封すると風味が落ちやすく、日持ちもしづらいので密封袋などに入れてから冷凍保存しましょう。
※パウダーは英語、プードルはフランス語で、どちらも「アーモンドの粉」という意味です。

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja