けんちゃん先生のたべもの知恵袋[はちみつ]

けんちゃん先生のたべもの知恵袋[はちみつ]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、食べ物の豆知識を教えてくれる「たべもの知恵袋」。今回は「はちみつ」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回のたべもの知恵袋「納豆」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック♡ さて、今回は…

ミツバチがせっせと花の蜜を集め、巣の中に蓄えられた蜜が熟成したものがはちみつ。ミツバチの寿命はとても短く、1匹のミツバチが一生の中で集められるはちみつは、ティースプーン1杯ほどにしかならないと言われています。例えばはちみつを500g集めるにはたくさんのミツバチの力が必要ってことなんですよね〜。はちみつが食べられる幸せ、ミツバチに感謝ですね〜♡さぁて今回は、そんなはちみつの豆知識をた~っぷりお伝えします!

押さえておきたい!はちみつの基本

はちみつの中でも"純粋"はちみつと書かれているものは、ミツバチが集めた蜜をそのまま容器に詰めたもの。水あめや砂糖、甘味料などの添加物が一切入っていないはちみつです。
また、はちみつは大きく2種類に分類されます。1つは単花蜜と言って1種類の花から採集されたもの。アカシアはちみつやレンゲはちみつのように植物の名前が付いているもので、その花独自の風味を楽しむことができます。
もう1つは百花蜜と言ってさまざまな種類の花から採集されるはちみつ。花の種類によって風味や香りは変わりますが、一般的にはあっさりとした味わいでクセがないのが特徴です。料理などにも使いやすいのはこちら!
個人的な好みにはなりますが、フィナンシェなどの焼き菓子には風味の強い栗の単花蜜のはちみつを使用すると、と〜ってもおいしくなります♡
栗のはちみつはなかなかレアですが、見かけたらぜひ購入して焼き菓子作りに使ってみてくださいね~♡ 僕の激推し!ウフフッ♡

1歳未満の乳児にはちみつはNG!

ご存じの方も多いとは思いますが、1歳未満の乳児にはちみつはNG!
これは、腸内環境の整っていない1歳未満の乳児に、ボツリヌス菌が含まれるはちみつを摂取させると乳児ボツリヌス症にかかってしまう可能性があるからなんです。
乳児ボツリヌス症を発症すると、便秘が数日間続いたり、元気がなくなるなどの軽症から、まれに死に至るケースもあるので注意が必要です。
ボツリヌス菌は加熱しても死滅しないので、はちみつ入りのお菓子や飲料などにも注意が必要です。
妊婦さんがはちみつを食べる分には問題ないですよ~♪

固まったはちみつ、どうすればいいの?

冬場にはちみつを置いていたら固まっていた!…なんて経験ありませんか?
はちみつは結晶化しても品質は変わらないため、湯せんにかけて液状に戻せばまた使用できます。ただし、60℃以上になると栄養素などに影響があると言われているので、50℃前後のお湯で湯せんし、はちみつが溶けてきたら箸などでまんべんなく混ぜてくださいね〜♪
ちなみに、はちみつに含まれるブドウ糖は約5℃から15℃の間で結晶化すると言われ、逆に5℃以下になると結晶化しにくいこともわかっています。はちみつが凍る温度は-20℃から-25℃。家庭用の冷凍庫ではカチカチになることはありません!冬場は意外と冷凍保存もアリかも♡

こちらも参考に↓↓↓

気になるはちみつの栄養

●腸内環境が整って免疫力アップ
はちみつには、糖類のほか、鉄分や亜鉛、アミノ酸、ポリフェノール、グルコン酸などが含まれています。グルコン酸には腸内の善玉菌を増やす働きがあり、免疫細胞の約7割が集まる腸内環境が整うことで免疫力がアップすると言われています。

●呼吸器系の感染症を防ぐ抗菌力
はちみつの強い抗菌力により呼吸器系の細菌増殖や感染症を防ぐ効果が期待できると考えられています。のど飴などにはちみつが使用されていることが多いのはそのためなんですね〜(納得♪)

●血糖値が上がりにくい甘味料
はちみつは甘味料の中では血糖値が上がりにくい「中GI食品」。GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品が血糖値を上昇させる速度を示す数値です。一般的な砂糖などの甘味料と比べて血糖値の上昇がゆるやかなので、血管や腎臓などの負担が軽減されると言われています。

知恵袋シリーズの中でよくお伝えしていますが、栄養があるからと言って、それだけ食べる“偏り食べ”や摂りすぎは栄養の偏りを招きます。はちみつは1日大さじ1〜2杯(30g前後)を目安に摂取してくださいね♪

砂糖より少量で甘みプラス

はちみつは砂糖よりカロリーが低く、甘みが強いのが特徴です。つまり、砂糖よりも少ない量で甘さが足せちゃいます。前述したようにGI値も砂糖より低いので、カロリーや糖質が気になる方や、料理にコクや照りを出したい時には、砂糖の代わりにはちみつを使ってみると良いですよ〜!

はちみつ×レモンは黄金コンビ⁉︎

はちみつとの食べ合わせでおすすめなのがレモン!

1. 疲労回復にピッタリ
はちみつのブドウ糖と果糖に、レモンのクエン酸やビタミンCが加わることで、疲労回復が期待できます。

2. 免疫力アップ
レモンのビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素などから体を守ると言われていて、はちみつと一緒に食べることで免疫力アップが期待できるんです♡

輪切りにしたレモンにはちみつをかけて漬け込むだけの「はちみつレモン」にしておけば、レモンの酸っぱさが和らいで食べやすくなり、疲れたときや風邪予防にもおすすめ♡ はちみつ×レモンって、本当に良い相乗効果なんですよね〜♪

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja