教えて井手先生!産後のギモン・お悩みQ&A④ ~授乳後すぐに寝てしまうので、うまくゲップをさせられません。

教えて井手先生!産後のギモン・お悩みQ&A④ ~授乳後すぐに寝てしまうので、うまくゲップをさせられません。

長年、地域の助産師として産後ママの体と心のケアにあたってきた「ベビーフェリス井手」の井手敬子(いできょうこ)さんが、ママたちから寄せられた疑問や悩みにお答えします。うまくいかないことの連続でヘトヘトになった産後ママたちの心と体が、少しでも軽くなりますように。


授乳後すぐに赤ちゃんが寝てしまうのですが、起こしてでもゲップをさせたほうがいいでしょうか?
また、うまくゲップをさせるコツも教えてください。


授乳後のゲップをどう考えるかは、赤ちゃんの個人差によるところも大きいです。ゲップをさせる理由は、おっぱいやミルクと一緒に飲んでしまった空気を胃から出して吐き戻しを防ぐため。
もともとそんなに空気を飲んでいない子の場合は、ゲップが出づらくてもさほど気にする必要はないでしょう。
空気を飲んでいるかいないかは、授乳の際に赤ちゃんが立てる音で判断できます。
大きな音を出さずにキュッキュッと飲めている子は、空気をあまり飲んでいないことが多いのですが、注意する必要があるのは、ゴクゴクと大きな音を立てる子。
空気をたくさん飲んでいる可能性があるので、授乳を何度か中断してでも、寝てしまう前にこまめにゲップをさせることをおすすめします。母乳なら、おっぱいの左右をチェンジする合間にゲップをさせるくらいの頻度で試してみてください。

空気は上へ上へと上がって行くので、おなかにたまった空気を出すためには背中ではなくもっと下の、腰のあたりを揺らすようにするのがコツです。叩かずに優しくトントンしたりさすったり、軽くゆらゆら振動させるだけで十分です。
時々、ゲップをうまく出してあげたい気持ちが高じて、赤ちゃんの背中をバンバンと叩いているお母さんがいますが、背中には大事な神経がたくさん通っていますので、注意してくださいね。

他にも、赤ちゃんのおなか側と背中側を手のひらで支えてゆっくりと前傾させることで、胃を少し圧迫してゲップをさせる方法もあります。その際は、途中で空気が引っかかってしまわないように、赤ちゃんの首と背筋を伸ばすことを意識してくださいね。

いずれの場合も、赤ちゃんの首と頭、背中は大人がしっかりと支えるようにしましょう。
そうしないと赤ちゃんが自分で頭を支えようとして力が入り、肩や口の周りが固くなってしまうために母乳やミルクが飲みにくくなり、空気を飲む量がますます増えてしまいます。


いろいろ試してみても、なかなかゲップが出ないこともよくあります。ゲップを出せないまま赤ちゃんが寝てしまった時は、上体を高くして布団に寝かせるようにするといいですよ。
その際は、足も高くしておなかに丸みを持たせるこちらのやり方をおすすめします。
参考にしてみてくださいね。

profile

井手敬子(いできょうこ)さん

井手敬子(いできょうこ)さん

助産師、母乳育児相談室「ベビーフェリス井手」代表、国際中医薬膳管理師。母乳と育児に関するよろず相談を受け付ける。母乳マッサージや授乳レッスンも実施。

<ベビーフェリス井手 母乳育児相談室>
https://ameblo.jp/babyfelizide/
<Instagram>
https://www.instagram.com/babyfelizide/

その他、産後関連の記事はこちら