そのにおいの原因、もしかして… 洗濯槽の菌事情

そのにおいの原因、もしかして… 洗濯槽の菌事情

「洗濯したのに服が臭い」「生乾きのにおいがする」など、洗ったはずの洗濯物がすっきりしないと感じたことはありませんか? その原因、洗濯槽の〝見えない〟汚れが原因かも!? 商品検査センター「りんご館」で調査しました。


【調査1】洗濯槽の状態を確認


〈調査概要〉

家庭にある洗濯機(30台)の洗濯槽の側面と底面を拭き取り、培地※1で菌を培養して、菌やカビが存在するか、調査しました。
※1…微生物が育つための栄養が入った寒天のこと。菌を目に見える状態にします。

〈調査結果〉

使用年数に関わらず、83%の洗濯槽から一般生菌※2とカビを検出。洗濯槽は一般生菌やカビが繁殖しやすい環境にあると言えそうです。
※2…35℃前後で酸素のある環境で育つ細菌のこと。
*調査した洗濯機は縦型・ドラム式どちらも含みます。

まとめ

汚れた洗濯槽で洗濯をすると、洗濯槽の菌が洗濯物に付着。そして、湿った状態が続くことで菌が増殖し、においの原因になると考えられます。洗濯槽を清潔にしておくための日ごろのお手入れが大切です。


【調査2】洗濯槽クリーナーの除菌効果を確認


〈調査概要〉
【調査1】で一般生菌とカビを検出した3台の洗濯機の洗濯槽を酸素系クリーナー、塩素系クリーナー、2つのクリーナー使用(酸素系の後に塩素系)の3つの方法で、パッケージの方法通りに洗浄。洗浄前後の菌数を計測しました。
酸素系クリーナーと塩素系クリーナーを同時に使う(混ぜる)と有毒なガスが発生して危険です。2種を続けて使用する場合は、1つ目のクリーナーを十分に洗い流してから2つ目を使用してください。

〈調査結果〉
いずれの方法も効果的で、菌は大幅に減少。においの原因も取り除くことができたと考えられます。
*クリーナー使用前の菌数を100として、クリーナー使用後の値を算出しています。

まとめ

洗濯槽は一見きれいですが、見えない汚れが付着している可能性があります。梅雨時期など菌やカビが発生しやすい時季は塩素系で殺菌し、年末年始の大掃除で酸素系を使って目に見える汚れをリセットするなど、目的によって使い分けましょう。
クリーナー使用後、何度すすいでも汚れが出てくる場合には、再度クリーナーを使って洗浄してください。また、洗濯槽クリーナーを一度も使ったことがない場合は、まず酸素系を使って汚れを剥がし、仕上げに塩素系で殺菌すると効果的です。
1~2カ月ごとの定期的な洗浄と、湿気が溜まらないような使い方で、洗濯槽を清潔に保ちましょう。


洗濯槽にまつわるQ&A

Q. 酸素系クリーナーと塩素系クリーナーはどう違うの?
A.
酸素系は発泡した泡で汚れを剥がして落とす効果が、塩素系は菌やカビをバラバラにして殺菌する効果があります。


Q. なぜ、洗濯機を洗濯かご代わりにするのがダメなのですか?

A.
脱いだ服を詰め込むと、湿気がこもりやすくなるとともに、衣類に付いている汚れが菌やカビの栄養源になり、洗濯槽が汚れる原因になる可能性があります。洗濯かごは別に用意し、洗濯機はふたを開けて※3風通しを良くしておきましょう。
※3…小さいお子さんがいる家庭では、ふたを開けっぱなしにすると危険な場合があります。状況を確認して実施してください。

施設情報

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。

◎商品検査センターについて、詳しくはこちら→
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/

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