福岡のフリースクール・不登校支援の現場から【久留米市】フリースクール未来学舎

福岡のフリースクール・不登校支援の現場から【久留米市】フリースクール未来学舎

福岡県内でフリースクールのサポートや、不登校の子どもたちを支援している芳野仁子(よしの のりこ)さん(愛称“のんちゃん”)。そんなのんちゃんが、「多様な学び」を選ぶ子どもたちを応援するステキな大人に会いに行く「てくてく旅」!

のんちゃんのてくてく旅 vol.5
今回は、前回お話を聞いた遊び学び舎 みつばちアジトの中川さんからご紹介いただき、久留米市の「フリースクール 未来学舎」を運営する「特定非営利法人 未来学舎」の代表理事、中島靖博(なかしま やすひろ)さんに会いに行きました。

幅広い年齢の子どもたちが通う「体感する場所」

遠くからも見える、印象的なロゴマーク

のんちゃん: 未来学舎のロゴマーク、たくさんの手が重なっていて素敵ですね。

中島さん:このロゴは、みんなでアイデアを出し合って作りました。雨上がりに出る虹の色。たくさんの人の手が、増えれば増えるほど多角形から円に、中央の「にっこり」に近付いていく。
ここは、多角形の角を数えるみたいに単純じゃなくて、いろんな人が本当にさまざまな形で関わっている場所なんです。中川さんが言っていた「突き抜けた感じがする」ってそういうことじゃないかな。
ちなみに、中央の「にっこり」のキャラクターには名前があって、「NIICO-」って言うんですよ。Iがひとつ多くて、ハイフンがあって、接頭語みたいでしょ。「愛が多い」そして「続く」っていう意味を込めてるんだよね。

のんちゃん: ほんとだ~!!愛が余るほどあって、それが続いていくってステキだな~♡

かわいいお友だちもお出迎え。わが家に帰ったような、居心地の良さ。

のんちゃん: どんな子どもたちが通っているんですか?

中島さん:「フリースクール」って小中学生が利用しているイメージがあるかもしれないけれど、ここにはさまざまな子どもたちがやってきます。小学生から20歳くらいまでかな?通信制高校に通っている子もいるし、卒業しても関わってくれている子もいるんですよ。

のんちゃん: 結構年齢の幅があるんですね!長く関わってくれる場所があるって、子どもにとっても親にとっても、大きな安心感につながると思うな~。

地域との関わりを大切に

のんちゃん: 地域の方々との交流がすごく自然ですよね。リアカーに旗を立てて、近隣のゴミ拾いに行ったり、お祭りに参加したり。

中島さん:地域と未来学舎が「双方向の循環」にあることを大切にしています。一方通行じゃなくてね。子どもたちが元気に活動する姿を見せることで、地域の人も元気をもらう。最初は「騒がしくて迷惑かな?」と思ったこともありましたが、今では村のお祭りに、他の地域の子どもたちと同じように呼んでくれたり、キッチンカーでお手伝いを頼まれたり、農家さんのお手伝いもするようになりました。

農家の方からもらった4kgのイチゴでコンポート作り

中島さん:ゴミ拾いをしていたら、近隣の方にお菓子をもらったり、作業した後に農家さんから焼肉をごちそうになったり、「面倒くさいこと(手伝いなど)をしていたら、なんだかいいことがある」という経験。そういう周囲の人たちとの関わりを通じて、愛情の表し方を体感し、それを彼らが更に社会に循環させているんです。道で困っているおばあちゃんに、自然に声を掛けていたりしてね。
地域に身を置いて生きていくってことは、お互いの考えに違いがあっても、一緒にいられる状況を持てるかってことじゃないかな。みんなが集まるごちゃごちゃした場所、「わちゃわちゃ感」みたいなもの。現代は、それを知る機会が少なくなったと思うんだよね。そういうものを、ここでは大事にしたいと思っています。

「まんま」でいること

スタッフのもんさんも一緒に、リラックスしたおしゃべり時間

のんちゃん: スタッフのみなさんは、子どもたちに対してすごくストレートに向き合っていますよね。時には厳しく、でも深い愛情を感じます。

中島さん:子どもたちは、通い始めの頃は人の目を気にしすぎてしまうことがあります。でも、本来の子どもって「あれもしてみたい」「これもやってみたい」と思う存在なんじゃないかな。それなのに、大人から「ダメ」ばかり言われていると、「こうしたい」と思う自分そのものがダメなんじゃないかって感じてしまうように思うんだよね。
だからこそ、大人は気取らず「まんま」でいることが大事だと思っています。スタッフも昼休みがとれないほど忙しいときは「少しゆっくりしたい」と愚痴をこぼすしね。
嘘をついている大人の言葉は子どもに響かないと思う。失敗して、悔しい思いや痛い思いをしてもいい。やりたいことを止めず、とことん向き合って、「君ならできる」と認めてもらえる経験が、子どもたちの力になるんじゃないかな。

不登校の経験を通して、味わい深い大人になる

スクールの前で、みんなで記念撮影!パチリ

のんちゃん: 保護者のみなさんとの信頼関係も絶大ですよね。そこから感じられることってどんなことがありますか?

中島さん:「怒られたことがない」という子どもは結構多いんです。保護者の方は、本やメディアの情報をもとに、子どもに気を遣って褒めていたりしてね。だからここに通うようになって「こうしたらいいんじゃない?」と言っただけで、怒られたと思ってしまう子もいます。
家族は喧嘩しても壊れないもの。離れることができないからこそ、もっと率直に伝えられることがあるはずだし、もしも大人が間違っていれば、素直にごめんって謝ればいいんじゃないかな。

中島さん:不登校の状態になると、子どもたちはくやしい思い、痛い思い、悲しい思いをするかもしれない。でも、その経験って人より一歩出ているって思うんです。だから、そばにいる家族が、そういう心持ちで言葉を尽くしてほしい。
悩んでいるからこそ、味わい深い大人になる。それを知っている人がちょっと手助けするだけでいい。家庭でできることって、そういうことじゃないかな。


フリースクールというより「フリーファミリー」のような感覚を覚えました。家族を超えた「関係性」の多角化。そして、「なんでも屋じゃないとやれないんだよね。」という言葉の中に、ロゴに表現されていた「余るほどの愛情」も感じました。
親でも教師でもない、地域のいろんな大人との愛溢れる関係性が増えることで、子どもたちの選択肢は広がり、社会の中で生きていく自信や安心につながっていくのだろうなぁ。

取材時に子どもたちが準備してくれたお昼ごはんをいただいちゃいました!子どもたちはみんな積極的に行動していて、活力が感じられますね。

次回は…
小郡市にある「オルタナティブスクールKOTETSU」を訪ねます。「うちに引き抜きたかったくらいいいやつなんだよ~!」と中島さん。次回もお楽しみに!

スクールの詳細

施設情報

特定非営利活動法人 未来学舎

特定非営利活動法人 未来学舎

設立:2018年11月
住所:〒830-1121 久留米市北野町十郎丸1492-1
電話番号: 0942-27-6641
公式ホームページ:https://miraigakusha.org/wp/

のんちゃんプロフィール

profile

のんちゃん こと 芳野仁子(よしののりこ)さん

のんちゃん こと 芳野仁子(よしののりこ)さん

嘉麻市生まれ。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。小中学生対象のフリースクール「みんなのおうち」を運営する傍ら、福岡県内各地のフリースクールを訪ね、支援する活動にとりくむ。

一般社団法人 家庭教育研究機構ホームページ
https://r.goope.jp/minnnanoouchi/