けんちゃん先生のくだもの知恵袋[洋梨]

けんちゃん先生のくだもの知恵袋[洋梨]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、果物の豆知識を教えてくれる「くだもの知恵袋」。今回は「洋梨」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!

※「くだもの知恵袋」では、一般的にくだものと認識されている果実的野菜も対象としています。


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「柿」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック💛 さて、今回ご紹介するのは…

洋梨の旬は9月〜12月。雨が少なく寒い地域が栽培に適しているため、東北地方で盛んに生産されています。洋梨の別名が “ラ・フランス”だと思われがちですが、ラ・フランスは数ある洋梨の一種。他にもル・レクチェやマルゲリットマリーラなどの品種があり、和梨と比べてとろりとした舌触りで香り高いのも洋梨の特徴です。今回はそんな洋梨の豆知識をた〜っぷりお伝えします!

洋梨の選び方(目利き)

●どっしりとして丸みがあるもの
丸みがあって重みがあるもの、表面がきれいでハリがあるものを選ぶと良いですよ〜。傷はない方がいいですが、いびつな形だったり斑点があったりしても、甘さに影響はありません!

●果皮が黄色くなったものは食べ頃
品種で差はありますが、すぐ食べたい場合は、果皮が黄色に近いものを選ぶようにしましょう!逆に日持ちさせたい場合は、果皮が緑色もしくは黄緑色のものを選ぶと完熟するまで時間があります。

洋梨の保存方法

●食べ頃の合図を見極めて♪
洋梨は収穫後、常温で数日置くことで熟しておいしくなります。

食べ頃(完熟)の合図は
1. 軸近くを軽く押すと柔らかい。(触るときは優しくね💛)
2. 軸(ヘタ)の周りの果皮にシワがある。
3. 軸にシワがある。
4. 洋梨特有の濃厚な甘い香りがする。
この4つをチェックしてみてください♪


●早く完熟させたいときは…
キッチンペーパーなどで洋梨を包んでポリ袋に入れ、袋を閉じて常温に置きましょう。キッチンペーパーで乾燥を防ぎ、ポリ袋で追熟を促すエチレンガスを充満させることで、追熟が早まります💛
温度変化が少ない場所が望ましいので、直射日光やエアコン、暖房の風が直接当たらないところに置いてくださいね〜。



●長く保存するには…
完熟したら野菜室に入れておくと追熟が進まず長持ちします。もっと長持ちさせたいときは冷凍がオススメです!
1. 完熟した洋梨を半分に切り、断面にラップをぴったり密着させます。
2. 密封袋に(1)を入れ、空気を抜きながら封をして冷凍庫で凍らせると1カ月ほど保存できます。
※一口大に切ってもOK。その場合は、そのまま密封袋に入れ、空気を抜きながら封をして冷凍庫で凍らせましょう。

冷凍した洋梨は、凍ったまま食べるとシャーベットのよう💛  半解凍させてトロ〜ッとした食感を楽しんでもおいしいですよ〜♪

洋梨のうれしい栄養

●疲れが溜まったらアスパラギン酸!?
洋梨には食物繊維やアスパラギン酸、カリウムなどが含まれています。おやさい知恵袋の「アスパラガス」編でもご紹介しましたが、アスパラギン酸は疲労の原因になる乳酸の分解を促し、疲労回復の効果が期待できる成分。疲れが溜まったらアスパラギン酸を含む食物を意識してとるといいかもしれませんね♪

●体内で分解・吸収されにくい甘味料・ソルビトール
すべての生の果実類の中で、最もソルビトールを含んでいるのが洋梨です。ソルビトールとは糖アルコールの一種で、砂糖の70%程度の甘さを持っているのだとか(スゴイ!)。体内で分解・吸収されにくいという特長から、低カロリーの甘味料として利用されています。また保水力に優れていて、便の水分量を増やすことで便通を良くする効果があると言われているんですよ〜♫
※文部科学省食品成分データベースより

洋梨の「へぇ~」な豆知識

●洋梨の代表格「ラ・フランス」はフランスで絶滅!?
1864年にフランスで発見され、そのあまりのおいしさに、「わが国を代表するにふさわしい果物である」とたたえたことから、ラ・フランスと名付けられたと言われています。しかし、他の洋梨と比べて栽培に手間がかかるため、1900年代初頭にはフランスでは絶滅しちゃったのだそう…。現在は、ほぼ日本でしか栽培されていないんですって〜!なんと貴重な💛 フランス原産の恵みを、日本で大事に大事にいただき続けたいですね。生産者さんに感謝!

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja