子どもの病気の予防と対処法③ ノロウイルスとロタウイルスに注意
冬から春にかけておう吐や下痢の症状をもたらす感染症や食中毒が流行します。近年、乳幼児に感染拡大しやすいのが、ノロウイルスとロタウイルスです。どちらも体力を消耗させ、脱水症状に陥ることがあるため注意が必要です。
まずは、脱水症状を防ぐために、経口補水液や乳幼児向け飲料などを常備しておくことをおすすめします。子どもたちの脱水症状のサインは「よく吐く」「口・舌が乾く」「泣いても涙が出ない」「意識混濁」など。意識があれば、スプーンで少しずつ水分補給させてあげてください。水分が摂れないほど意識も危うくなってきたら、119番通報か救急病院へ連れて行くなどの早めの対応が必要です。
ロタウイルス
◎主な症状
水のような下痢、吐き気、おう吐、発熱、腹痛。脱水症状がひどくなると点滴が必要となり、入院治療に至ることもあります。
◎特徴
ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染するほど感染力が強く、5歳までにほぼ全ての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。主に重症化するのは生後3カ月~2歳までの乳幼児です。感染を繰り返すごとに症状は軽くなる傾向にあります。
◎予防方法
・一番の予防は、生後6週から受けられるワクチン接種。3歳未満までに保育園へ入園予定の場合や、兄姉が保育園に通っている場合は接種をおすすめします。
・感染した子どもの排泄物で同居の家族に感染するので、処理は手袋をして、消毒は塩素系漂白剤で。
※アルコール消毒は無効です。
ノロウイルス
◎主な症状
吐き気、おう吐、下痢、腹痛、軽度の発熱。脱水症状がひどくなると点滴が必要となり、入院治療に至ることもあります。
◎特徴
ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染するほど感染力が強く、大人も感染・発症します。いくつも種類があるため、違う種類が流行すると、何度も感染することがあります。
◎予防方法
・十分に加熱されていないカキを含む二枚貝などによる食中毒で感染することもあるので、子どもが食べる際は注意しましょう。
・感染した子どもの排泄物で同居の家族に感染するので、処理は手袋をして、消毒は塩素系漂白剤で。
※アルコール消毒は無効です。
profile
桑村真美(くわむらまみ)さん
医師。キャリアのスタートは小児科。現在、一般財団法人西日本産業衛生会健康管理部で勤務し、エフコープをはじめ会社や団体の産業医を務める。2歳と1歳の2児の母。
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