「お金の教育」、どうしたらいいの? 第3話:知らせたい、お金の価値
お金にはモノを売り買いするだけではない付加価値があります。第1話、第2話に続いて、今回は、子どもに教えておきたい、お金の付加価値やお金に関する知識について、エフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)※の竹上安希さんに教えていただきました。
※生協所定のセミナーを終了した組合員。
知らせたい、お金の価値
お金について子どもに教える際には、使い方だけでなく、一緒に「お金の価値」を教えてあげてほしい、と竹上さんは話します。
竹上さん:
「お金の価値を子どもに伝えるには、まずは親自身の行動を振り返ってみましょう。例えば、親の物への接し方が無頓着だと、子どもも『壊れたり無くしたりしたら、買ってもらえばいい』と思うようになり、物を大事にしなくなってしまう恐れがあるからです。
そうならないためにも、まずは物や資源は大事に使うこと、壊したり無くしたりしないように気を付けなければならないことを教えましょう。例えば、水道の水を出しっ放しにしていたら、『水は限りがあるものだし、水道代もかかるんだよ』ということもきちんと伝えます」
竹上さん:
「小学校高学年になったら『お金を借りたら利息がつく』といったルールや、世の中のお金の流れや役割といった経済に関する話もしていきましょう。
親がお金にまつわるさまざまなことを子どもに話したり、実際に使う姿を見せたりしてお金の価値や使い方を伝えていく。それこそが子どもへの生きた金銭教育になります。そういった話ができるように、親が一緒に勉強することも大切です」
「人のため」の使い方も伝える
竹上さん:
「お金は自分が必要なものや欲しいものを手に入れるためばかりではなく、募金やプレゼントのように、誰かの力になったり、喜んでもらったりするための使い方もできるということも教えましょう。そういった機会があったら、子ども自身に考えさせて、お小遣いの中からお金を出すようにしてもいいですね。
使い方によって、お金の価値が変わることを教えるのも大切なことです」
貯金について
お金に関して、親もついつい「ためておきなさい」と言いがちですが、お金の「使い方」を教えるのも大切なことなのだそうです。
竹上さん:
「最近の子どもは、金銭感覚がシビアで、お小遣いをためておく子も多いようです。それ自体は悪いことではないのですが、お金を上手に使うことの良さも教えましょう。実際に使ってみないと、お金の価値を理解できないからです。
お金は意味のある使い方をしてこそ生きてくるもの。『使うお金』と『ためるお金』について、子どもと話し合ってみてください」
3話にわたってお伝えしてきた、「お金の教育」にまつわるお話、いかがだったでしょうか?ぜひ、お子さんとお金についての話をしてみてくださいね。
竹上さんには親が子育てとともに直面する、「教育費」の問題についてもわかりやすく解説していただいていますので、ぜひ、そちらも参考にしてください!
◎LPA活動やLPAが講師を務める学習会について、詳しくはこちらから。
profile
竹上安希(たけがみあき)さん
エフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)。4人の子どもの母。フルタイムで仕事をしながら、LPAとして「ママのスキルアップ講座」などの講師を務めて5年目。