いくら必要?どう貯める?子どもの教育費 第1話

いくら必要?どう貯める?子どもの教育費 第1話

子どもが生まれて気になる「お金のこと」といえば、教育費ですよね。一体どれくらい準備しておけばいいのでしょうか。4人のお子さんのお母さんであり、エフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)※である竹上さんに、お話を伺いました。
※生協所定のセミナーを修了した組合員

教育費の目安はおよそ800万円!


まずは1人の子どもに掛かる教育費の金額を、竹上さんにズバリ質問してみました。

竹上さん:
「一般的には小学校から大学まで公立で、自宅から通学する場合、800万円は必要だといわれています。

すべて私学に行った場合は、2,500万円は必要になってきます。なんと、3倍以上の差が出てくるんですね。また、私立の大学に行く場合は、文系と理系でも必要な金額は違ってきますし、特に理系の場合はびっくりするほどのお金が掛かることも。医学部に行くと一軒家が建つといわれているくらいです」


竹上さん:
「これに加えて、例えば大学が遠方にあるときは、アパートなどの住居費や仕送り代などが加わりますから、それも計算に入れておかなければなりません。

800万円必要と言っても、一度に支払うわけではありません。教育費は、『いつ、いくら必要になるか』が予測できるもの。まずは大学進学の費用を、貯蓄の目標にすることをおすすめします」

大学で必要になる300万円を貯蓄の目標に


竹上さん:
「具体的な金額で言うと、今は、国公立に入学したとしてだいたい300万円。現在の国公立の学費が1年に約56万円ですから、その4年分と入学金を合わせて300万円程度の金額が必要です。

これが私立大学となると4年で約500万円。ただし、これは自宅から通うことを想定しての費用。一人暮らしをするとなると、その分も必要です」

教育費は積立で貯めるのが基本


では、具体的にどのように貯めていけばいいのでしょうか。「教育費を準備する上で、基本となるのは積立です」と竹上さんは言います。

竹上さん:
「子どもが生まれてすぐから始めれば、大学に入るまで18年間あります。300万円を貯めるには、月々1万4000円程度貯めれば大学入学には間に合いますよ。

以前は、学資保険に入る方が多かったのですが、今の学資保険は元本割れしてしまうものもあるのが難点。ただし、学資保険は“保険”ですから、契約した親に何かあった時は支払いも免除され、満期には満額保険料を受け取ることができるというメリットがあります。

また、毎月掛金を支払わなくてはなりませんから、貯金が苦手な人にとっては、強制的に教育費が貯められるというのもメリットですね。そういう方には、学資保険の加入も一つの方法だと思います」

子どもが乗り気でない習い事は、後々の経済負担の原因に


子どもが1人の場合は何とかなりそうですが、他にきょうだいがいたら、毎月の積立金を用意するのが大変そう。そんなときはどうやってお金を捻出したらいいのでしょう?

「教育費は“聖域”と思われていて、子どもが『習い事をしたい』と言ったら、親としては何とかお金を工面してしまいがち。けれども、それが本当に子どもに必要かどうか、判断することが教育費の節約につながります」と竹上さんは話します。

竹上さん:
「私も経験者なんですが、後になって思うと、幼児教室に通わせたり習い事をさせたりしなくても自宅でできることも、いろいろあったなあと」

竹上さん自身、4人の子どもの母親。大学入学前後はずいぶんとお金が出ていき、「あの時、子どものために使ったお金を貯めておけば」と後悔したそうです。


竹上さん:
「もちろん、伸ばしてあげたい才能があれば、運動でも音楽でも習わせてあげていいと思いますが、やはり子どもとしっかり向き合ってライフプランを考えるべき。気をつけておきたいのは、それが親のエゴや押しつけにならないようにすることですね」

そんなに子どもが乗り気ではない習い事にお金を掛けてしまうと、本当に教育費がいるときに、家庭の経済的な負担が大きくなってしまうと竹上さんは言います。

竹上さん:
「そんな“本末転倒”になってしまわないためにも、子どもと日ごろからコミュニケーションをとることが大事です。その子が本当は何をしたいのか、どんな進路に進みたいのかが、はっきりとしていれば、その目標に向かって背中を押してあげられますからね」

第2話では、4人お子さんがいる竹上さんのお宅で、どのようにしてお子さんたちの進学費用を用意したのかなどについて教えていただきます。


◎LPA活動やLPAが講師を務める学習会について、詳しくはこちらから。


profile

竹上安希(たけがみあき)さん

竹上安希(たけがみあき)さん

エフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)。4人の子どもの母。フルタイムで仕事をしながら、LPAとして「ママのスキルアップ講座」などの講師を務めて5年目。