絵本の選び方③ 迷ったらロングセラーを!

絵本の選び方③ 迷ったらロングセラーを!

子どもにどんな絵本を選ぶべきか自信がない、迷ってしまって決められない」というときには、〝ベストセラーよりもロングセラー〟との視点から選んでみるといいでしょう。長く愛されてきた絵本には、力があります。そこに、子どもが必要としている普遍的な何かが描かれているから、時代が変わっても読み継がれているのだと思います。この力を借りない手はありません。

また、今はカラフルな絵本に人気が集まりがちですが、実は色数が少ない絵本もおすすめです。たとえば白、黒に差し色のきいた絵本などは子どもの想像力が育ちますよ。 

絵本選びを難しく考える必要はありません。同じ絵本でも、人生のステージが変わって開き直すたびに、新しい発見があるもの。みなさんも、ぜひ絵本選びと、子どもと一緒に絵本を読む時間を楽しんでくださいね。

絵本選びQ&A

Q 戦隊ものやアニメの絵本にばかり興味を示しますが…?
A そういう時期はありますよね。刺激の強いものは見せたくないという方もいらっしゃいますが、「ごはん」だけでなく時々は「おやつ」も必要。興味があるのなら、たまのお楽しみとして読ませていいのでは。禁止すると、見たい気持ちが膨らんで執着が長引きます。

Q 毎日、同じ本を「読んで」と持ってきますが…?
A うれしいことですね。子どもって、物事を納得がいくまで何度も確かめて、「うん、大丈夫」と思えたとき、次に進んでいくものです。たくさんの本を読まないといけないと思わなくていいんです。応じてあげると、安心すると思いますよ。

Q 買う本や、借りる本を自分で選ばせてもいいでしょうか?
A 自分で選ぶのも楽しい時間。たまになら本人に選ばせるのも悪くはありませんが、基本的に、幼児のうちは大人が内容を確かめた上で選ぶようにしましょう。子どもが読むものを親が決められる期間は、長い人生のうちせいぜい6~7年間。ほんの束の間の特権です。

●おすすめの1冊

『もりのなか』
白と黒の2色だけを使って、動物たちと男の子の、森での幻想的なできごとが描かれます。

ぶん/マリー・ホール・エッツ
え/まさき るりこ
福音館書店

教えてくれたのは

profile

芳野 仁子(よしの のりこ)さん

芳野 仁子(よしの のりこ)さん

子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。小学生向けフリースクールやキッズスクールも運営。一般社団法人 家庭教育研究機構代表理事。