第1回 家庭でできない経験を積み重ね、将来の自立をサポート

第1回 家庭でできない経験を積み重ね、将来の自立をサポート

しょうがい者向けのサービスや学童保育など、エフコープの福祉に携わるスタッフが実際の事例をもとに、福祉について語ります。

日常の動作も一つひとつ練習して

自閉症に多動症や知的しょうがいを併発しており、言葉は理解できても発語のないC君。特別支援学校の中学部に通いながら、市役所の勧めで4年前から平日の放課後と土曜・祝日の日中を放課後等デイサービスで過ごしています。

月に2回ほど、昼食作りやおやつ作りを行っていますが、当初、C君は食べられるものがほとんどありませんでした。家庭での食事が、唐揚げやとんかつなど本人が好きなメニューに偏っており、それ以外の料理はなじみがないため受け付けなかったのです。焼きそばやホットケーキなども食べられず、泣いて拒否するほどでした。
それでも、「食べてみたら?」と声を掛けてみたり、口元まで運んだりしていると少しずつ関心を示してくれるようになり、焼きそばもホットケーキも今では大好きになりました。また、おもちゃの片付けや上着のファスナーを上げるなど日常の動作も、以前はできなかったのですが、スタッフがサポートし、練習を重ねた結果、自分から進んでやるようになっています。最近は玉ねぎの皮もむけるようになりました。

C君は一人で遊ぶことを好みますが、スタッフにニコッと笑いかけたり、甘えて触れてきたりもします。言葉のないC君だからこそ、「今何をしてほしいのか」に気付けるよう、常に目配りを欠かさないよう心掛けています。レクリエーションの時間では、ものづくりの他、工場見学や電車を使ったお出掛けなど、家庭ではできない体験をしています。

しょうがいのある子どもにとって大切なのは、さまざまな経験をすること。今年の春は敷地内に畑も作り、みんなで野菜を収穫して食べる計画を立てています。子どもたちがどんな表情を見せてくれるか、今から楽しみです。
いろいろな経験を積み重ねることで、「新しくできること」や「興味のあること」を増やしてほしい。それが、将来の自立のお手伝いになると思っています。

profile

放課後等デイサービス うぃずあっぷる浮羽校
指導員 岩瀨 ルミ(いわせ るみ)

看護師として8年間働き、4人の子どもの子育てが一段落した後、2019年に入協。飼っている柴犬とチンチラのお世話が癒やしタイム。