第4回  コロナ禍で増えている孤独な育児のサポートを

第4回  コロナ禍で増えている孤独な育児のサポートを

しょうがい者向けのサービスや学童保育など、エフコープの福祉に携わるスタッフが実際の事例をもとに、福祉について語ります。

お母さんの不安や悩みに寄り添って

エフコープの「ふれあいサービス」は、介護保険の適応ではないけれど、高齢者やしょうがいのある方、子育て中の方など、暮らしのサポートが必要な方に支援を行うサービスです。最近では、「コロナ禍で里帰り出産ができない」「一人で育児をしなければいけない」などの理由から、産前産後の支援の依頼が増えています。

昨年夏、30代のMさんのお母さんから産後支援の相談がありました。「娘の手助けをしたいけれど、私が療養中のため、『ふれあいサービス』を利用したい」とのことでした。

Mさんが無事に出産を終えて退院された翌日から、毎日訪問。沐浴や洗濯、掃除、買い物代行などを行いました。初めての育児で不安いっぱいのMさんは、赤ちゃんから片時も目を離す余裕がなく、また、泣いてもどうあやしていいかわからず途方に暮れる毎日。「ちゃんと育てられるか心配…」。そう悩むMさんに、自分の育児経験を交えながら、「大丈夫、子どもの成長する力を信じましょう」と励まし続けました。

すると、次第にMさんも赤ちゃんに話しかけたり、歌ってあげたりするようになりました。出産から7カ月が経ち、子育てに少し余裕が出てきて買い物などに出かけられるようになったMさん。当初は毎日訪問していましたが、2日に1回、3日に1回とその回数も減っていき、今ではMさんが外出する際の留守番など、必要なときだけサポートに入るようにしています。

コロナ禍で行政の子育て支援サービスや地域の育児サークルなどの活動が制限される中、孤独に子育てをしている人が大勢います。そのような状況を見るにつけ、お母さんの心のケアの必要性を痛感します。
エフコープでも、昨年から古賀市や粕屋町と連携し、地域にお住まいの方を対象に、産前産後支援をスタートしました。こうしたサービスをもっと気軽に利用して、安心して子育てをしてほしいと思います。

profile

エフコープふれあいサービス福岡東
事業コーディネーター
脇山 陽子(わきやま ようこ)

2010年にふれあいサービスサポーターとして登録、2016年よりコーディネーターに。現在、福岡東と志免の2カ所でサポート支援を行っている。