第3回  しょうがい児の個性を理解し、 柔軟な支援を

第3回  しょうがい児の個性を理解し、 柔軟な支援を

しょうがい者向けのサービスや学童保育など、エフコープの福祉に携わるスタッフが実際の事例をもとに、福祉について語ります。今回は多様な子どもたちが共に過ごす放課後児童クラブでのお話です。

Rくんとの関わりが 他の子どもの成長にも

「ただいま~!」。元気に放課後児童クラブ※にやってくるのは、小学3年生のRくん。ダウン症と知的しょうがいがあり、学校では特別支援学級で学んでいますが、ここに来ると1年生から6年生まで40人以上の仲間と一緒に、放課後の時間を過ごしています。

入学当初は言葉も少なく一人遊びばかりでしたが、時間をかけて少しずつおしゃべりが増え、仲間の輪の中にも入れるようになりました。今お気に入りの遊びは、知育玩具のピースを組み立てたコマ回し。初めは高学年の子が遊んでいるのを見ているだけだったのが、いつの間にか誰にも負けない頑丈なコマを組み立てられるようになりました。

でも、機嫌が悪いときは困った行動も見られます。トイレにずっと閉じこもっていたずらをしたり、「うるせーっ!」と攻撃的な態度をとったり、母親が迎えに来ても帰ろうとしなかったり…。それは支援員や母親の気を引きたい気持ちの表れ。叱るのではなくしっかり抱きしめてあげると、だんだん気持ちが落ち着いて笑顔に変わっていきます。

また、集団行動ができにくく、自分勝手な行動をとってしまうことも。そんなときは無理強いするのではなく、Rくんのペースに合わせるようにしています。周りの子どもたちも、最初は戸惑っていましたが、徐々に彼の個性を受け入れるように。誰も文句を言うことはなく、むしろRくんのことをみんなが気に掛けてくれるようになりました。

ここには、他にもしょうがいのある子が数人います。だからこそ、新学期になると「世の中にはいろいろなお友達がいるけれど、みんな同じ命を持って生まれてきたんだよ」という話から始めるようにしています。

多様な子どもたちが共に過ごすことで、「違いを認め合い、他人を思いやる心」が芽生えているのをひしひしと感じています。それは言葉で教えるものではなく、子どもたちが自然に感じ取るもの。そんな心の成長を、何よりうれしく思います。

※ 仕事などによって保護者が昼間家庭にいない小学生を預かり、遊びや生活の場の提供などを通して健全な育成を図る施設のこと。


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