作り置きの鍋料理、再加熱したら大丈夫?
鍋の菌事情②
鍋やカレーなど、残ったものをそのまま台所に置いている方も多いのではないでしょうか?
そこで、作り置きの鍋料理を再加熱した際に菌数がどう変化するのかを、エフコープ商品検査センター「りんご館」で調べました。
再加熱後の菌数を調査しました
【調査内容】
25℃で1日保存した、寄せ鍋、みそ汁、カレー(各200㎖)を加熱し、菌数の変化を調べました。
【使用した具材】
●寄せ鍋…ねぎ、白菜、人参、ごぼう、魚、鶏肉、しいたけ、しらたき、春菊、えび、だし(いりこ)
●みそ汁…豆腐、わかめ、だし(いりこ)
●カレー…じゃがいも、人参、牛肉、たまねぎ
【加熱方法】
●電子レンジ:600Wで1分40秒加熱(カレーは2分10秒)
●コンロ:強火で熱し、沸騰後中火で1分加熱
調査結果
どの料理も、電子レンジで加熱したものは少し菌が残ってしまいました。コンロで加熱したものはほとんどの菌を死滅させることができました。
以上のことから、加熱方法によって菌の減り方に差が出ることがわかりました。
電子レンジを使う場合、具材によって温度のムラが生じることもあるため、途中でかき混ぜるなどして、しっかり加熱しましょう。加熱はできるだけコンロを使って、時間を掛けて行うのがおすすめです。
詳しくおしえて!Q&A
Q. 調理したのに、なぜ菌が増えるの?
菌の中には、熱に耐性を持つ芽胞菌(がほうきん)がいます。この菌は加熱しても死滅することなく生き続け、鍋の温度が適温まで下がってきたときに増殖します。また、鍋のふたを開けっぱなしにしておくことで周囲の菌が鍋に入り、増殖することも。「加熱したから大丈夫」という油断は禁物です。
Q. 2日以上保存しても、十分に再加熱すれば、食べても大丈夫ですか?
料理などに菌が増殖すると、その多くにぬめりやにおいが生じます。そうなると、加熱しても菌が作り出した物質が残り、食べることが難しくなります。また、菌の種類によっては、増殖してもにおいや見た目の変化が生じないものも。この場合、食べると体調を崩すことがあります。残した料理を翌日以降に食べる場合は、においや見た目の変化に加えて、保存状態にも気を配るようにしましょう。
エフコープ商品検査センター「りんご館」に見学に来ませんか?
エフコープ商品検査センター「りんご館」では施設の見学を受け入れています※。エフコープ組合員でない方でも見学できます。簡易実験も体験することができますので、「りんご館」に来て、楽しく学びませんか?
※ 見学には予約が必要です。簡易実験を希望する方は、予約の際にお申し出ください。
施設情報
エフコープ商品検査センター「りんご館」
エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。
◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/