手を洗った後、何で拭く?
寒い日が続いていますね。感染症の予防はまず手洗いから。みなさん、手洗いはきちんとできていますか。手を洗った後の水滴の「拭き取り方」も実は大切。今回は、手を洗った後の衛生について商品検査センター「りんご館」で調べてみました。
【調査①】手を洗った後、拭くものによって菌が手に移るのかを調べる
●調査概要
ゴム手袋をして手がきれいな状態を再現し、手を水で洗った後、以下の4つの方法でそれぞれ水滴を除去。その後、寒天培地に手をスタンプして培養し、菌数を調べました(個人差があるため4人の手を調査しました)。
調査結果
①ハンドドライヤーで乾かした場合と、②ペーパータオルや、③洗濯したタオルで拭き取った後に検出されたのは同程度の菌数で、ほとんど手に菌は移っていないと考えられます。4人中3人は、④の「1週間使用したタオルで拭いた場合」が最も菌数が多く、しっかり手を洗っていても、不衛生なタオルやハンカチで拭き取ると手に菌が移ってしまうことがわかります。手を拭くタオルやハンカチは清潔なものを使うことが大切です。
【調査②】1週間使用し続けたタオルの菌数を調べる
●調査概要
4人家族、5人家族の家庭で、それぞれ1日の終わりにタオルを検査キットで拭き取る調査を続けました(タオルは洗濯なし)。拭き取ったものを寒天培地に塗布して培養し、菌数を調べました。
●調査結果
同じタオルでもその日の使用状況や手の汚れ具合などにより、菌数が多い日とほとんどない日がありました。一度菌が増えてしまったタオルも時間がたって乾燥すると、ある程度菌が死滅する場合があるため、必ずしも使用日数が経過するほど菌数が多いというわけではないようです。しかし、目で見ただけではどの程度汚れているのかはわかりません。こまめにタオルを交換することをおすすめします。
まとめ
手の衛生を保つためには、手を洗った後の拭き取り方も重要です。どんなにきれいに手を洗っていても、服や不衛生なタオルやハンカチで手を拭いたり、手の乾燥が不十分であったりすると、菌が増える原因となってしまいます。使い捨てのペーパータオルを使用するのが望ましいですが、タオルを使用する場合はできるだけ手拭き専用の清潔なものを用意しましょう。また、洗面所などの手拭きタオルは、こまめに交換するよう心掛けましょう。
【コラム】家族で手拭きタオルを共用するのはOK?
衛生の観点からは、使用するタオルは分けた方がよいでしょう。共用する場合も、こまめに交換することをおすすめします。また、家族が風邪などの感染症に罹患している、またはその疑いがある間は、タオルの共用を避けるようにしましょう。
施設情報
エフコープ商品検査センター「りんご館」
エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。
◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/