食中毒が心配!夏のお弁当

食中毒が心配!夏のお弁当

気温や湿度が上がるにつれて、手作り弁当の食中毒が心配な季節となりました。そこで、おにぎりを使って、保管方法が菌の増殖に与える影響を商品検査センター「りんご館」で調べてみました。

【調査①】保冷バッグや保冷剤にどの程度効果があるのかを検証しました

●調査概要
菌液を塗布した手袋で握ったおにぎりを、35℃の環境下で6時間保存した後の菌の数を調べました(猛暑での保管を想定しています)。条件は以下の通りです。

❶ラップで包んでそのまま
❷ラップで包んで保冷バッグに保冷剤を入れる(保冷剤をおにぎりの上に置く
➌ラップで包んで保冷バッグに保冷剤を入れる(保冷剤をおにぎりの下に置く
❹ラップで包んで布のお弁当袋に保冷剤を入れる(保冷剤をおにぎりの上に置く

※保冷剤(12cm×9cm、各1個)を使用。

●調査結果
時間の経過とともに菌数は増えていきました。①のグラフから、保冷剤を使用した保冷バッグやお弁当袋では、温度の上昇を抑制し、菌の増殖を抑え、保冷バッグが布の袋より効果的とわかりました。また②のグラフからは、冷気は上から下に流れるため、保冷剤は上部に置くのがより効果的であることがわかりました。

①保冷バッグとお弁当袋の保冷効果(バッグの違いを比較)
おにぎり1g当たりの菌数(個)


②保冷剤の位置による保冷効果(保冷剤の位置の違いを比較)
おにぎり1g当たりの菌数(個)

【調査②】梅干しの静菌効果を調査しました

●調査概要
菌液を塗布した手袋で2種類のおにぎりを作りました。一つは梅干しを中央に入れただけ、もう一つは梅干しを刻んで混ぜ込みました。これらを35℃の環境下で6時間保存した後の菌の数を調べました。
※『CO・OP紀州南高梅しそ漬110g』を使用。


●調査結果

梅干しには静菌効果があることがわかりました。ただし梅干しを真ん中に入れたおにぎりでは菌の増殖が見られました。梅干しが直接触れた部分しか効果がないため、細かく刻んで混ぜる方が効果的でした。

梅干しの効果
おにぎり1g当たりの菌数(個)

まとめ

まずは、食べ物に菌をつけないように、手や調理器具はいつもきれいに洗いましょう。それから、暑くて湿気のある場所では菌がすぐに増えてしまうので、調理後すぐにしっかり冷まし、涼しい場所で保管することがとても重要ですね。水分が多いと菌は増えやすくなるので、おかずの汁気はよく切り、カップや仕切りなどを活用して詰めるといいでしょう。

施設情報

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。

◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/