おしぼりの汚れ落とし効果
飲食店で出てきたり、お弁当と一緒にもらったりすることのある「おしぼり」。食べる前に使うことがありますが、 実際どの程度汚れを落とすことができているのでしょうか。商品検査センター「りんご館」で調査しました。
【調査1】汚れの落ち方
疑似汚れとして手洗いチェッカーローションを手指にすりこんだ状態を比較の基準とし、それぞれ「水道水で洗う」「石けんで洗う」「紙おしぼりで拭く」場合の、汚れ落ちの状況を確認しました。
●使用するもの
*手洗いチェッカーローションはブラックライトにかざすと光る性質をもちます。
〈比較の基準〉何もしない
全体的にローションが付いている状態。
1. 水道水で洗う
全体的に薄くなったものの、ローションは残ったままでした。
2. 石けんで洗う
指先の一部や、指の付け根にわずかに残ったものの、ローションはほぼ落ちました。
3. 紙おしぼりで拭く
手のひらや指など、おしぼりでしっかり拭いた部分のローションは取れましたが、それ以外は残ったままでした。
まとめ
おしぼりのみで汚れを落とそうとすると、しっかりと拭き取る必要があります。おしぼりは石けんでの手洗いよりも「汚れが落ちにくい」ことを意識しておく必要がありそうです。
【調査2】菌の落ち方
牛豚合挽ミンチを手に付けて疑似的に汚した後、各条件で汚れを落とし、菌の状況を培地※1で確認しました。
※1… 菌が育つための栄養が入った寒天。菌が寒天に付着すると、目に見える状態にまで増殖します。
〈比較の基準〉何もしない
手のひらからまんべんなく菌が検出されました。
※2…手洗い前の状態を100として、各条件下での数値を算出しています。
1. 水道水で洗う
「何もしない」と比較すると菌は減りましたが、衛生的とは言えませんでした。
2. 石けんで洗う
「何もしない」と比較すると大きく菌が減り、衛生的になりました。
3. 紙おしぼりで拭く
「何もしない」と比較すると菌は減りましたが、衛生的とは言えませんでした。
4. 石けんで洗い、アルコール消毒
全条件の中で最も菌が減り、とても衛生的になりました。
まとめ
最も菌が減少したのは、石けん洗いとアルコール消毒の組み合わせでした。紙おしぼりでもある程度の菌が減少しましたが、紙おしぼりの使用だけでは衛生的であるとは言いにくい結果になりました。食事の前は石けんで手を洗い、どうしても手洗いができない場合は、おしぼりでしっかり拭くようにしましょう。
ここで確認! 正しい手の洗い方
厚生労働省ホームページに掲載されている方法です。すすぎは30秒を目安にすると、しっかり菌を落とすことができます。
流水でよく手を濡らした後、せっけんをつけ、手のひらをよくこすります。
手の甲を伸ばすようにこすります。
指先・爪の間を念入りにこすります。
指の間を洗います。
親指と手のひらをねじり洗いします。
手首も忘れずに洗います。
施設情報
エフコープ商品検査センター「りんご館」
エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。
◎商品検査センターについて、詳しくはこちら→
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/