キレイなスポンジを保つには?

キレイなスポンジを保つには?

毎日のように使う食器洗い用のスポンジ。食べかすや汚れを落とすためのものですが、そのスポンジ自体は清潔なのでしょうか? 汚いスポンジで洗ってしまうと、その汚れがお皿に移ってしまうことも!?
今回は、スポンジの菌数について商品検査センター「りんご館」で調べてみました。

今回の調査をするにあたり

新しいスポンジに意図的に菌を付着させて汚れた状態にした後、
実験① 除菌の方法 実験② 保管の方法
によってどのような差が見られるのか調べてみました。

スポンジにはどのくらいの菌が潜んでいるの?

りんご館スタッフが実際に使っているスポンジの一般生菌※1数を調査してみました!
※1 一般生菌とは野菜や生肉などに通常存在する菌です。

保管や使用日数に違いがあるものの、どのスポンジからも大量の菌を検出。普段使っているスポンジは結構汚れているといえそうです。

実験① スポンジの 除菌方法

〈手順〉
菌液に浸しておいたスポンジを洗剤で洗った後、絞り、下記4つの条件で処置。その後、水切りラックで30分乾燥させ、微生物検査で菌数を確認しました。

スポンジを菌液に浸しています。


〈条件〉

❶何も処置せず
❷「除菌ができる洗剤」を浸透させて2時間放置後、水洗いして絞る(洗剤はコープの『弱酸性キッチンマイルド』8ml)
❸漂白剤を入れた水に2分間浸した後、水洗いして絞る(水5ℓに対し、コープの『キッチンブリーチ』6ml)
❹2時間天日干しする

〈結果〉
最も除菌に効果があったのは、❸漂白剤でした。2番目に効果があったのは、❷「除菌ができる洗剤」を浸透させておくもので、❹天日干しにも一定の効果があることがわかりました。

※2 菌数の表示は比率。最も菌数の少なかった❸を基準の「1」として表しています。


【実験①のまとめ漂白剤での除菌は効果が高く、短時間で行えます。また、「除菌ができる洗剤」を浸透させて2時間置く、2時間天日干しをするなどの処置でも一定の除菌効果が見られました。いずれも時間を掛ければ、さらなる除菌効果が期待できそうです。


実験② スポンジの 保管方法

〈手順〉
菌液に浸しておいたスポンジを洗剤で洗い、下記4つの条件で保管。24時間後の菌数を微生物検査で確認しました。

〈条件〉
❶水切り無、シンクに直置き
❷水切り有、シンクに直置き
❸水切り無、水切りラックに置く
❹水切り有、水切りラックに置く

シンクに直置き、あるいは水切りラックに置いて24時間保管しました。はたして結果は…


〈結果〉

最も菌数が少なかったのは、❹水を切って水切りラックで保管したもので、2番目は❷水を切って直置きしたものでした。水を切らずに直置きした❶からは多くの菌が検出されました。

※3 菌数の表示は比率。最も菌数の少なかった❹を基準の「1」として表しています。


【実験②のまとめ】…水を切って保管したスポンジの菌数は少ない傾向にありました。これは、菌の増殖に必要となる水分が、スポンジの乾燥によって減ったことが要因だと考えられます。スポンジを保管する場合は、スポンジの菌が増えない(乾燥しやすい)環境を作ることが重要であるといえそうです。


もっと知りたい! スポンジQ&A

◎ スポンジの交換時期の目安は?
スポンジは毎日のお手入れ(食べかすなどの汚れを取り除いて除菌する)をきちんとしていれば、清潔に保つことができます。ただし、使っているうちに、スポンジがほつれたり、毛玉ができたり、裂けたりした状態になると、その部分に食べかすなどの汚れがたまりやすくなり、菌の温床に。見た目の変化が出てきた場合には、取り替えをおすすめします。

◎ メラミンスポンジはどうなの?
メラミンスポンジも菌液に浸して水洗いをし、水切りの有無で菌数の変化を確認しました。その結果、菌数の増加には保管場所よりも使用後の水切りの有無が与える影響が大きいことがわかりました。
 メラミンスポンジは使えば使うほどすり減って小さくなってしまうため、使い捨てする方も多いかもしれませんが、残った場合には、よく水を切って保管してください。

メラミンスポンジは水洗いをして検査しました。


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エフコープ商品検査センター「りんご館」

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エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。

◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/