スポンジはきれい?いつも使っている食器洗い用スポンジを調査
毎日のように使う食器洗い用スポンジ。きれいに保てていますか? スポンジにはたくさんの汚れや菌が残っているといわれています。「どうやって殺菌すればいいの?」とわからずに使い続けている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回調査してみました。
今回調査したこと
調査① 家庭で使われている食器洗い用スポンジにはどれくらいの菌がいるの?
調査② 効果的な食器洗い用スポンジの殺菌方法は?
調査① 食器洗い用スポンジにはどれくらいの菌がいるの?
【調査概要】
4家庭で使用した食器洗い用スポンジ(A、B、C、D)の1週間、2週間、1カ月使用後の一般生菌数※1を調査。
※1 35℃前後で酸素のある環境で育つ細菌のこと。
【調査条件】
●食器洗い用スポンジ(A、B、C、D)は使用期間中に漂白などの殺菌は行わない。食器用洗剤を使い、使用後は水洗いをして絞り、水気の切れる場所で保管。
●期間ごとに回収し、菌数を調べる。回収するごとに、すべて泡が出なくなるまで水洗い。
【菌の培養・カウント】
① スポンジに希釈水を加え10倍に希釈し、均質化し、菌を抽出して試料液をつくる。
② 培地に試料液を塗布。
③ その後、35℃で2日間培養し、菌数を数える。
【調査結果】
2週間目から、スポンジに食材の残りカスの洗い残しや着色が見られはじめ、使用期間が長くなるにつれて着色が目立ち、毛羽立ちやほつれなども出てきた。
■菌数測定結果 (単位:個)
●まとめ●
殺菌をせずにスポンジの使用を続けると、使用期間が短くても多くの菌が存在していました。水洗いだけでは菌は減らず増え続け、長く使うほど菌は増えるということがわかりました。劣化した部分に溜まった汚れや、食材の残りカスにより、菌は増えやすくなると考えられます。
調査② 効果的な食器洗い用スポンジの殺菌方法は?
【調査概要】
食器洗い用スポンジを菌液に1時間(室温26℃)漬け置きし、汚れた状態を擬似的につくり、下記の6つの方法で洗浄・乾燥した後、一般生菌数を調査。
※2 スポンジの耐熱温度が90℃のため。水ですすぐのは温度を下げるため。
※3 スポンジが紫外線に弱いため。
【調査結果】
❷-2 洗剤を浸透、❸漂白、❹熱湯ではほとんど菌は見られず、効果的な殺菌方法であることがわかった。❺乾燥させた日は曇りであったが、日陰干しでもある程度の殺菌効果があることがわかった。また、❷-1と❷-2を比べ、洗剤による殺菌は、食器洗い後、スポンジについた泡や汚れをきれいに洗い落とすことで、追加した洗剤の殺菌効果がより発揮されるということがわかった。
●まとめ●
効果的な殺菌を行えば、かなり汚れたスポンジでも、ある程度は菌を減らすことができました。日ごろの洗剤での洗浄にプラスして、漂白や熱湯殺菌を行うとスポンジを清潔に保てるといえます。ただし、殺菌を行い過ぎると、スポンジの劣化を早める恐れがあるので、劣化具合を確認して、新しいスポンジに替えることが望ましいです。
食器洗い用スポンジQ&A
Q 正しい保管方法は?
A. 食材のカスや汚れがスポンジに残らないよう、使用後はきれいに洗い流しましょう。その後、水滴のかからない場所で、接地面が小さい場所に置くと良いです。また、菌の繁殖を防ぐため、乾燥させる時間を設けましょう。
Q 同じ食器洗い用スポンジでシンク掃除をしても大丈夫?
A. シンク周りは菌が繁殖しやすい場所なのでスポンジに菌が移ってしまう可能性があります。皿などを洗うスポンジとは分けることをおすすめします。
Q 交換時期は?
A. 使用状況によって異なります。スポンジが劣化してきた、泡立ちが悪い、においがする、着色や汚れが取れないなどの状態になったら交換するようにしましょう。
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