芽が出たじゃがいも、 食べていいの?

芽が出たじゃがいも、 食べていいの?

ちょっと置いていたら芽が出ていた…ということが多い「じゃがいも」。実は、その芽や緑色になった皮部分には、食中毒の原因となる物質「ソラニン」と「チャコニン」が含まれています。実際に、どのくらい含まれているのかを商品検査センター「りんご館」で調査。理化学検査担当の花田充さんに教えていただきました。

じゃがいもの毒って…?

理化学検査担当の花田充さん。

花田さん:
「『ソラニン』と『チャコニン』は天然毒素で、じゃがいもの芽や緑色になった皮などの部分に多く含まれている物質です。食べると、吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛などを発症することがあります。体重50㎏の大人の場合、「ソラニン」や「チャコニン」を50mg摂取すると症状が現れると言われています」

それではさっそく、調査を開始しましょう!

商品検査センターの専門の機器を使って調査!

芽が出たじゃがいもや皮が緑色のじゃがいもを用意し、芽、皮、芽と皮を除いた可食部の「ソラニン」と「チャコニン」の含有量を調べました。
調査は、じゃがいもを芽・皮・可食部に分け、粉砕したものから成分を抽出し、数値を測定します。

果たして調査結果は…?

調査の結果、芽が出たじゃがいもや皮が緑になったじゃがいもは、芽・皮から多くの「ソラニン」と「チャコニン」を検出しました(表は芽が出ている、または皮が緑色のじゃがいも100gあたりの検出量)。

花田さん:
「最も高い数値になったのは芽の部分、次いで皮の部分。ほとんどが芽と皮に集中しているので、芽と皮を取り除くと、「ソラニン」と「チャコニン」の大部分を除去できました。

可食部からも「ソラニン」と「チャコニン」は検出していますが、ごく少量で、食べても差し支えありません(測定数値は上表を参照)」

じゃがいもの芽や緑色の皮は食べないように

今回の調査で、芽と皮に多くの「ソラニン」と「チャコニン」が含まれていることがわかりました。

花田さん:
「調理するときには、芽が出ていたら芽の根元を完全に取り除く、皮が緑色になっていたら、皮を厚くむくなどの処理を行うようにしましょう」

もっと知りたい、芽が出たじゃがいものこと

今回の結果を受けて、芽が出たじゃがいもについて、花田さんにさらにいくつかの質問をしてみました。

Q.どんなじゃがいもに注意したらいいですか?
花田さん:

「『皮に緑色の部分が多い』『濃い緑色をしている』『芽が伸びている』といった状態のじゃがいもは、『ソラニン』や『チャコニン』の含有量が高いので、食べない方がいいでしょう」

Q.芽の大きさで毒性に違いはありますか?
花田さん

「じゃがいもの個体によって差がありますが、数mmの芽なら、芽とその周辺を取り除けばOK。大きく芽が出たじゃがいもは、全体に『ソラニン』と『チャコニン』が回っている可能性があるので食べない方がいいでしょう」

Q.どこに保管すればいいですか?
花田さん:

「じゃがいもは光に当たったり傷が付いたりすると、発芽や皮の変色が起こりやすくなります。暗くて涼しい場所に保管して、早めに食べるようにしましょう」

さといもやさつまいもは大丈夫?

花田さん:
「さといもは、『ソラニン』『チャコニン』は検出されませんでした。さといも自体には毒性がなく、芽を成長させた茎は食べることもできます(市販されているさといもの茎は、茎食用の品種のものです)。また、さといもを日なたに置いておくと、緑色になることがありますが、その場合も問題なく食べることができます。

さつまいもも、『ソラニン』『チャコニン』は検出されませんでした。さつまいも自体には毒性がないため、芽にも毒はありませんでした。ただ、芽が出ると栄養を取られて味が落ちてしまうので、その前に食べるようにしましょう」

商品検査センターに見学に来ませんか?

商品検査センターでは施設の見学を積極的に行っています。エフコープ組合員でない方も、どなたでも見学できます。簡易実験も体験することができます。「りんご館」に来て、楽しく学びませんか?
※見学には予約が必要です。簡易実験についても、予約の際にお申し出ください。


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施設情報

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。

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https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/