vol.20 「親の会」って知ってる?

vol.20 「親の会」って知ってる?

絵本の紹介でお馴染み「からすのほんや」店主 からすちゃんと、嘉麻市在住のイラストレーター maruikoちゃんの「むかし子どもだったあなたへ」


フリースクール「みんなのおうち」の子どもたちが教えてくれる、子どもとのくらしのヒントを、スクール代表のからすちゃんと一児のママmaruikoちゃんがお届けします。

私の運営するフリースクールでは「親カフェ」といって、スクール生、卒業生、また地域の不登校児童生徒の保護者の方が集まっておしゃべりに花を咲かせる行事があります。今はコロナ禍で回数や内容は変化していますが、以前は「忘年会だ~!」と、一品持ち寄りでにぎやかな集まりをすることもありました。


先日は、不登校になって日の浅い中学生の保護者が集まって、いろんなお話をしました。最初は、「自分の育て方が悪かったのかな…。」というつぶやきから始まりましたが、次第にアイデアや疑問が出てきました。「おうちがリラックスできる場所になるといいね。」「生活リズムを整えるために、夕飯の時間を少し早くしてみようかな」「きょうだいの負担ってどうなのだろう?」。最後はみんな仲良くなって笑顔で終了しました。


子どもが学校に行けなくなると、学校の友だちの保護者とは、どうしても疎遠になります。仲良くしていた人の前でも、「大丈夫!」と強がってしまったり、本当の苦しさを話せずにいたりすることもありますよね。そんな時には、地域で催されている「親の会」を、ぜひのぞいてみてください。
私のフリースクールの親の会も、にぎやかに時間が過ぎる日ばかりではなくて、みんなで涙することもあります。ほかの人から見ると「暗い集まりなんじゃない?」と思われるかもしれません。もしそうだとしても、実は、それは必要なことなのです。
喜怒哀楽を誰かと共有すること。これによって人は『共に生きている』と感じることができるから。そうやって気軽に声をかけ合える間柄の人が増えてくるほどに、硬くて重くなっていた心の中の何かが、少しずつ、柔らかく軽くなってくるものです。


子どもが学校に行けない時間は、次第に保護者を孤独にしていきます。「生活」はひとりでもできるかもしれないけれど、「生きる」ことは、やっぱりひとりじゃない方が心強いんじゃないかな、って思います。
こういうことを知る機会を子どもたちにもらえる私たちは、実はとても幸せなのかもしれません。

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

嘉麻市生まれ。子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/


maruikoさん

イラストレーター。福岡県嘉麻市出身・在住。展覧会などで作品を発表する他、さまざまな媒体のイラストやデザインを手がける。山に囲まれた小さな住宅街の小さな家で日々暮らしている。まるやまももこ名義で音楽活動も行っている。2015年に息子が生まれ現在子育て中。
ホームページ:
https://marumomo48.wixsite.com/maruiko

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