福岡のフリースクール・不登校支援の現場から【大牟田】 ほっとスペース「ふきのとう」
福岡県内のフリースクールなど、不登校の子どもたちの支援を行っている芳野仁子(よしののりこ)さん(愛称“のんちゃん”)が、「多様な学び」を選択する子どもたちの応援をしている、ステキなおとなに出会う「てくてく旅」!。
のんちゃんのてくてく旅 vol.2
雪から顔を出し、命輝く日を迎えるまで
今回は、前回お話を聞いた「omimi(おみみ)かふぇ」さんからご紹介いただき、ほっとスペース「ふきのとう」を運営する不登校・ひきこもり家族の会「ふきのとう」会⾧の中西朋美(なかにしともみ)さんに会いに行きました。
ほっとスペース「ふきのとう」とは?
「とっても素敵な「ふきのとう」外観
中西さん:大牟田市で、不登校やひきこもりの方、そのご家族の居場所の運営と、家族の会を開催しています。小学生から大人まで、さまざまな年齢の方が利用されており、みなさん、ゆったりと思い思いに過ごしていらっしゃいます。
中学校を卒業した後も居場所づくりを
広々とした「ふきのとう」内観
中西さん:大牟田市には、「大牟田ひきこもり支援ネットワーク会議」という地域ネットワークがあります。私たちは地域のさまざまな支援機関に協力をいただきながら、この会議の運営にも関わっています。
中学校を卒業すると、おうちで過ごす子どもたちへの支援が極端に少なくなる…そういう現実を目の当たりにし、子どもたちの居場所をどうにかしたいと思っていました。
地域ネットワークを通していろんな人たちにその必要性を伝えていく中で、たくさんのつながりと協力が生まれ、現在のような幅広い世代を対象にした支援活動へと広がっていきました。
中西さんが活動を始めたきっかけ
中西さん:息子が小学3 年生の時、不登校が始まりました。次第にママ友とも話が合わなくなり、柳川市の親の会に参加していましたが、「家の近くにも親の会があるといいな」と思い、2008 年に「家族の会」としての活動を始めました。最初は5、6 人で日頃のストレスを発散するような感じで、みんなでおしゃべりするような活動でした。
●手放すことの難しさ
中西さん:その活動を続ける中で、小学校から不登校だった息子が中学1 年生の時に、「学校に行くこと」「周囲のみんなと一緒であること」など、親である私自身の中にあったこだわりを手放しました。それまでは、「学校に行くのは当たり前」という考えから抜け出せず、とても苦しい日々でした。そこから離れるには、一定の時間がかかるものなんです。そしてそれは、今「ふきのとう」に来てくださる方も同じなんじゃないかなって思います。
どの子にも役割がある~わが子だけでなく、他の子も応援
講演活動も行っている
中西さん:この活動を始めるにあたって、「もっと、いろいろなことを学んだ方が良いのではないか」と考えたことがあります。そんな中で、ある方に「あなたは、助産師だったことが強みだよ」と言われたことを、こうして今、お話しながら思い出しました。
私は助産師として62 歳まで働き、たくさんの命と向き合ってきました。必ずしも、すべての命が生まれてくるわけではないんですよね。
その経験の中で、「命には全て役割がある」というお話を聞いたことがあります。
生まれてきた命も、生まれなかった命も、不登校だったわが子の命も、どの命にも「役割がある」。その言葉に支えられて、乗り越えてきたような気がします。そして、どの命も大切だし、輝いてほしい。その思いが、わが子だけでなく、他の子も応援したいという今の活動につながっているのだと思います。
「ふきのとう」という団体名に乗せた思い
クリスマスや夏祭りなどさまざまな催しも実施
中西さん:降り積もった雪から顔を出すふきのとう。雪に埋もれていても、必ずいつか芽を出します。芽の出ない時期には、太く、広く、根を張り巡らせている―。ここは、芽が出ない時期を、保護者の方々と一緒に、自分の意志で芽を出す日を信じて待つ場所です。
親も子も一緒に楽しめるとりくみもたくさん行いながら、みんなで一緒に、「命輝く日を待つ」ということを、ここで続けていこうと思っています。
明るくて、気さくな中西さん。当事者として感じた「支援の場の必要性」を、いろんな方に話に行った勇気ってすごいなぁ!と思います。
そして、わが子だけでなく、出会う子どもたちとその家族へ、さらには命そのものへ向けられた、広くて深い愛情を感じました。当事者として、目の前の我が子だけでなく、少し俯瞰して身近な社会を見てみることで、世界は少しずつ変わるのかもしれません。
また、「待つということ」をマイナスに捉えず、豊かな時間にしている居場所「ふきのとう」で、中西さんとお話していると、あたたかいものが胸に広がって、私の中にもムクムクと力が湧いてきました。
次回は中西さんからご紹介いただき、NPO法人箱崎自由学舎えすぺらんさの副代表 上村一隆(かみむらかずたか)さんに会いに行きます。「ふくおかフリースクールフレンドシップ協議会の事務局長を始め、福岡県や福岡市など行政の委員会にも所属している上村さん。行政·支援者·家族の会の橋渡し的な役割を担っていらっしゃいます」と中西さん。次回もお楽しみに!
団体紹介
施設情報
ほっとスペース ふきのとう(不登校・ひきこもり家族の会)
住所:福岡県大牟田市瓦町79-5
・開催日時:毎週火・水・金曜日13:00~17:00、毎月 第1土曜日13:00~17:00
・対象者:不登校・ひきこもりとその家族
・利用料:無料
・お問合せ先 0944-88-9181
・SNS:https://www.facebook.com/share/1FM6JZqAR7/
のんちゃんプロフィール
profile
のんちゃん こと 芳野仁子(よしののりこ)さん
嘉麻市生まれ。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。小中学生対象のフリースクール「みんなのおうち」を運営する傍ら、福岡県内各地のフリースクールを訪ね、支援する活動にとりくむ。
一般社団法人 家庭教育研究機構ホームページ
https://r.goope.jp/minnnanoouchi/
