子どもの睡眠について考えよう③
食事や運動と同じように睡眠はとても大事なもの。今回は、子どもの良い睡眠習慣づくりの方法について、筑紫女学園大学准教授の大西 良(おおにし りょう)先生にお話を聞きました。
親の生活習慣が子どもの睡眠に影響
子どもにとって、心と体の成長を助ける睡眠は大切なことだと、誰もが感じていると思います。ただ、「早寝・早起きをしようね」と子どもに言うだけでは、なかなか習慣にはなりません。大切なのは、親子で一緒に取り組むことです。
親の生活習慣は、子どもに大きな影響を与えます。例えば、夜遅くまで一緒にテレビを見たり、ゲームをしたり…。このような習慣は子どもに良い影響を与えませんので、見直すようにしましょう。
また、共働きの増加に伴って、子どもの睡眠環境を整えづらくなっている現状もあります。特に小さなお子さんがいる方の場合、夕食やお風呂、寝かしつけの時間がどうしても遅くなり、子どもが睡眠不足に陥ってしまうケースも少なくありません。そのような場合は、夕食や家事、お子さんを寝かしつけるまでの順番を工夫するといいですよ。
下記の「睡眠5カ条」を参考に、親子で睡眠習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
子どもの睡眠5カ条
1. 毎日同じ時刻に寝て、起きるようにしましょう。
2. 寝る前のゲームやスマートフォンの使用は避けましょう。
3. 朝起きたときに、太陽の光を浴びるようにしましょう。
4. 朝食は生活リズムを築く上で大切になるので、決まった時間に取るようにしましょう。
5. 不安や緊張などで眠れないときに、親や学校の先生などに相談しやすい環境を作っておきしょう。
子どもの快適な睡眠を支えるために
◎ 食事と入浴は帰宅後の早い時間に済ませる
眠気が訪れるまでには、食事や入浴からある程度の時間が必要です。
帰宅後、早めに食事と入浴を済ませましょう。
◎ 食器洗いや洗濯などの家事は後回しにして寝かしつけましょう
家事が済んでなくても、時間になったら一緒に布団に入って寝かしつけましょう。子どもが安心して入眠できます。
◎ 家族で協力し合いましょう
子どもの睡眠時間を確保するために、家族で家事や育児の役割分担を決めておきましょう。
profile
大西 良(おおにし りょう)先生
筑紫女学園大学 人間科学部 人間科学科 心理・社会福祉専攻 准教授
筑紫女学園大学 大学院 人間科学研究科 准教授
大学に勤めるかたわら、福岡県筑豊地区の小・中学校でスクールカウンセラー(非常勤)として勤務。子ども食堂や学習支援、ママカフェを大学生と共に実践しており、地域における子どもと若年ママの居場所づくりを行っている。
また、生活の質の向上や不登校の予防支援として、睡眠の正しい知識と習慣を身につけるための教育「子どもの睡眠教育(みんいく)」にも取り組んでいる。