けんちゃん先生のおやさい知恵袋[ピーマン]
管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、野菜の豆知識を教えてくれる「おやさい知恵袋」。今回は、「ピーマン」についてあれこれ聞いてみました。
それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!
はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「ズッキーニ」編、参考になりました~?
見てない方は、こちらからチェック♥
さて、今回ご紹介するのは…
ビタミンが豊富で、夏バテ防止や疲労回復にも効果的と言われているピーマン。ただ、独特の苦みや青臭さから、子どもが苦手な野菜の代表選手でもありますよね~。そこで今回のおやさい知恵袋では、おいしいピーマンの見分け方などに加えて、ピーマンが苦手なお子さんでも食べやすくなるひと工夫も紹介しちゃいます♪
ピーマンの目利き(見分け方)
●ヘタが「六角形」になっているもの
ピーマンのヘタの多くは五角形ですが、中には六角形のヘタをしたピーマンもあります。実は、このヘタの形の違いがおいしさを見分けるポイント! ピーマンは、栄養を吸収しながらじっくり育つと、ヘタの角の数が増えるのだそう。つまり、ヘタの角が多いということは、熟成している証なんですね~。六角形のヘタを持つピーマンは糖度が高く、苦味を感じにくいと言われているので、スーパーなどで選ぶときは、ヘタの角の数をチェックしてくださいね~♪
●ツヤがあって色が鮮やかなもの
ピーマンは、表面にツヤがあって色が鮮やかなものほど新鮮です。逆にしわがあったり、色がくすんだりしているものは鮮度が落ちている証拠。また、緑が濃すぎるものは日光に当たりすぎたもので、苦みが強いと言われています。
種やワタの部分に栄養がた~っぷり!
ビタミンCやビタミンE、βカロテンが多く含まれているピーマンですが、その他にも「ピラジン」という栄養素も豊富に含まれています。
このピラジンは血液が固まるのを抑える効果があり、血液がドロドロになるのを防いでくれるのだそう。しかも、種やワタには、皮の部分の10倍以上も含まれているんですよ~。
でも、ピーマンの種やワタって、だいたい捨ててしまいますよね(もったいな~い)。そこで、種やワタも丸ごと使った簡単レシピを紹介します♪
『ピーマンの丸煮』
〈材料〉2人分
・ピーマン…4個
・油揚げ…1枚
【A】
・いりこ…5尾
・水…200ml
・濃口しょうゆ…大さじ1
・本みりん…大さじ1
〈作り方〉
1. 油揚げを細切りする。鍋にピーマン丸ごと、油揚げ、【A】を入れる。
2. 落とし蓋をして、弱火で10分ほど煮る。ピーマンがクタクタになれば完成♪
けんちゃん先生のワンポイントアドバイス
切り方を工夫して苦味を抑える!
ピーマンの苦み成分は、細胞の中に含まれています。ピーマンの細胞は縦に並んでいるので、切るときは「縦切り」にすると、細胞が傷つきにくくて苦みを抑えることができますよ。ピーマンが苦手なお子さんに、ぜひ試してみてくださいね♪ また、縦切りにするとピーマンの食感も生かされるので、青椒肉絲(チンジャオロース)などの炒め物におすすめです。
ピーマンの「へぇ~」的なお話
●見た目でわかる「オス」と「メス」
みなさん、ピーマンに「オス」と「メス」があることをご存じですか? 実は、ピーマンのお尻の部分にあるボコボコことしたコブの数で、オスかメスかを見分けることができるんです。食感などにも違いがあるので、使い分けてみてくださいね~。
コブが3つ=オス 種が少なく身が硬いので、炒め物など調理向き
コブが4つ=メス 種が多くて身が柔らかいので、サラダなどの生食向き
また、メスのピーマンは加熱すると水分が出やすい特徴があります。
●熟すと色が赤色に変わる
私たちが普段食べているピーマンは緑色ですが、実はこれ、未熟な状態で収穫されたものなんですね~。ピーマンは、熟していくほど「カプサンチン」という赤い色素が増加。完熟すると赤ピーマンになり、苦みも弱まります。とはいえ、完熟させるには時間やコストがかかるほか、栄養価は未熟な緑ピーマンとさほど変わりないことから、市場には緑のピーマンが流通しているのだそうです。ピーマンって、奥深いですね💛
profile
嘉村健志(かむらけんし)さん
管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
〈ホームページ〉
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja