けんちゃん先生のくだもの知恵袋[ざくろ]
管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、果物の豆知識を教えてくれる「くだもの知恵袋」。今回は「ざくろ」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!
※「くだもの知恵袋」では、一般的にくだものと認識されている果実的野菜も対象としています。
はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「すもも」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック💛 さて、今回ご紹介するのは…
中にルビーのような果粒(かりゅう)がたくさん詰まっているざくろ。食べたことがないという方も意外と多いのでは?と思う果物ですが、アダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果実は「ざくろ」だった、という説があるほど古くから世界で愛されている果物なんですよね〜。日本での栽培は非常に少なく、スーパーなどでよく見かけるのはカリフォルニアやイラン産のもの。なので、国産のざくろを見かけたらとっても希少♪ 今回はそんなざくろの豆知識をた〜っぷりお伝えします!
ざくろの選び方(目利き)
●ふっくらしていてハリがあるもの!
ざくろは皮の色で判断しづらいため、果実に膨らみとハリがあり、ずっしりと重たいものを選びましょう。国産ざくろは樹上で完熟させているため、実がパックリと割れているものもあります。すぐに食べる場合は割れているものを選ぶと熟している可能性が高いですよ〜!
知らないこといっぱい!ざくろの「ヘぇ〜」な豆知識
●ざくろってどこを食べるの?
●ざくろってどうやってむけばいいの?
まず始めに皮ごとガブッと丸かじりはNG! 皮にイソペレチエリンという有毒物質が含まれていて(じゃがいもに含まれるソラニンのようなもの)、大量にとると吐き気やめまい、下痢などの症状が出ることがあるので、必ず皮をむいて食べてくださいね。
ざくろの皮をむいたら出てくる赤い粒状の部分を種衣(しゅい)といい、ここが可食部分。種衣の中には1粒ずつ種が入っていますが、種ごと食べることができます♪ ただし、種衣を包んでいる白い薄皮などは食べられないのでご注意を〜!
食べられる種衣をうまく取り出せばOK!以下のような手順でやってみてくださいね。
1. ざくろの先端を包丁でカットする
2. ざくろは約6つの房に分かれているため、果皮に対して縦に6本の切り込みを軽めに入れる(白い房の筋に沿うとわかりやすいです)
3. 切り込みに沿って手で割る
4. 種衣を取り出し、優しく水洗いする
ざくろの保存方法
●完熟したら丸ごと冷蔵庫へ
果皮が張った感じになると熟れている証拠。それまでは常温に置いておきます。熟れたら皮をむかずに丸ごと密封袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう! この状態で1カ月ほど保存できます。種衣だけにしてしまうと冷蔵庫で数日しか保存できなくなるので、すぐに食べない場合は丸ごとがおすすめ!
●ざくろは冷凍も可能!氷代わりにも!?
ざくろの種衣を取り出し、密封袋などに入れて空気を抜きながら封をして冷凍しましょう。冷凍しておけば、凍った種衣を氷代わりにソーダなどの飲み物やヨーグルトに加えるのも◎
赤い果粒の魅力!ざくろのうれしい栄養
●小さな粒にギュギュッと栄養
ざくろの種衣には、アントシアニンやカリウム、エラグ酸、エストロンが多く含まれています。アントシアニンは、ざくろの種衣や果皮の赤色が作る色素で、抗炎症や抗酸化作用があると言われています。カリウムは、ナトリウムの再吸収を抑制して血圧上昇の予防やむくみ予防につながります。
あまり聞き慣れないエラグ酸はポリフェノールの一種。メラニンの生成を抑えてシミ予防や悪玉コレステロールの低下、糖尿病予防に期待ができると言われています。お肌やダイエットにも良いなんてすてき~♡
さらに、エストロン(エストロゲン様物質)は、女性ホルモンであるエストロゲンが低下してくる30代以降にうれしい栄養素なんです!スゴイ♡ 小さな赤い粒に、栄養がギュギュッと詰まっているんですね〜♪
簡単!手作りざくろシロップ
ざくろが酸っぱい時はシロップにするのがおすすめ♪ 保存瓶などに種衣と砂糖を1:1で合わせ、水分が出るまで1日1回混ぜるだけ。約1週間ほどすると水分が出て、砂糖が溶けるので、炭酸水で割ってドリンクにしたり、ヨーグルトにかけたりして楽しんでくださいね♪ ちなみにお酢を混ぜるとお家で簡単にざくろ酢が作れちゃいますよ~♡
profile
嘉村健志(かむらけんし)さん
管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja