けんちゃん先生のくだもの知恵袋[さくらんぼ]
管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、果物の豆知識を教えてくれる「くだもの知恵袋」。今回は「さくらんぼ」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!
※「くだもの知恵袋」では、一般的にくだものと認識されている果実的野菜も対象としています。
はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「メロン」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック💛さて、今回ご紹介するのは…
見た目が可愛らしく、ほんのり甘酸っぱい味わいが魅力のさくらんぼ。露地物(温室やビニールハウスではない露天の畑)は6月上旬〜7月中旬、有名な品種「佐藤錦」だと6月中旬〜下旬と、“旬”がと〜っても短い果物です。そんなさくらんぼの魅力をた〜っぷりお伝えします! この記事を読むと、きっと旬を味わいたくなるはずです💛 ウフフッ。
さくらんぼの選び方(目利き)
●鮮やかな赤色で実が張っているもの!
粒が大きく鮮やかな赤色で、実が張っていて表面にツヤがあるものがおいしい証。収穫後のさくらんぼは追熟しないので、ハリがなく柔らかいものや斑点があるものは避けたほうがいいでしょう。
買った後に、もし斑点ができ始めていたら早めに食べてくださいね♪
実は冷蔵に弱い!? さくらんぼの保存方法
●常温保存が基本!食べる前に冷やして
さくらんぼを買ったら、すぐ冷蔵庫に入れていませんか? じつは冷蔵に弱いので、風通しの良い涼しい場所(常温)に置くのがベスト。
乾燥を防ぐため、さくらんぼをキッチンペーパーやラップで包み、密閉できる保存容器に入れておきましょう。
食べる1~2時間前に冷蔵庫で冷やすと、よりおいしくいただけます。
暑さが増し、室内に常温で置くのが不安な場合は、上と同じ要領で保存容器に入れて冷蔵庫へ!収穫後2〜3日以内が食べ頃なので、購入後はなるべく早く召し上がってくださいね〜♪
ちなみに、温度変化に弱く傷みやすくなるので、常温で売られていたら常温保存、冷蔵で売られていたら冷蔵保存がおすすめ。さくらんぼはデリケートなので、大事に大事に扱ってくださいね♡
●冷凍も可能!
さくらんぼは冷凍保存もできます!水洗いして水気を切り、柄(え)を取ってから密封袋などに入れて冷凍庫へ。1カ月ほどはおいしく保存できます。
バランスの取れたさくらんぼの栄養
●鉄分や葉酸など女性にうれしい栄養も
さくらんぼには、カリウム、鉄分、β-カロテン、葉酸、ビタミンC、食物繊維、必須アミノ酸など、多くの栄養素が含まれています。とはいえ…ずば抜けた栄養素はないのですが(笑)、バランスよく栄養が含まれている果物と言えます!
これから汗をかく季節になると栄養の消費も激しくなるので、初夏を感じる旬のさくらんぼを食べて、リフレッシュしましょう〜♪
さくらんぼの「へぇ~」な豆知識
●さくらんぼとアメリカンチェリーって仲間?
さくらんぼとアメリカンチェリー、見た目の色が随分違うことから、全く別のフルーツとして認識されがちですが、じつは同じ種からできた、ルーツ(祖先)が同じ果物なんです(びっくり!)。枝分かれして品種改良が進んだことで、アメリカから輸入されるワインレッド色の「さくらんぼ」が、アメリカンチェリーと呼ばれています。
見た目が全く違うのに、まさかルーツが一緒だとは〜!
栄養面を比較すると、さくらんぼにはβ-カロテンが、アメリカンチェリーにはアントシアニン(ポリフェノール)が多く含まれています。アメリカンチェリーの紫色は、ブルーベリーと同様、アントシアニンに由来しているんですよ〜♪
●桜の咲く木にさくらんぼの実がなる?
さくらんぼの名前の由来は、「桜の坊=桜ん坊」からきているそう。つまり桜の木になるのが「さくらんぼ」なんです。でも、その割にさくらんぼが実ってる桜の木をほとんど見たことないですよね?
実は、ソメイヨシノに代表される観賞用の桜と、さくらんぼの実を収穫するための“実桜”があって、普段見ている桜の木には実がならないのだそう…くぅ〜残念! (ちなみに全く実らないわけではなく、まれに実がなることもありますが、食用ではないのでご注意を)
お子さんに「この桜の木にさくらんぼができると〜?」と聞かれた時の答えもバッチリですね!
profile
嘉村健志(かむらけんし)さん
管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja