けんちゃん先生のくだもの知恵袋[栗]

けんちゃん先生のくだもの知恵袋[栗]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、果物の豆知識を教えてくれる「くだもの知恵袋」。今回は「栗」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!

※「くだもの知恵袋」では、一般的にくだものと認識されている果実的野菜も対象としています。


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「ざくろ」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック💛 さて、今回ご紹介するのは…

ほっくりとしていて、ほんのり甘みのある栗。その食感から木の実や野菜、芋類などいろいろと言われますが、木に実るので、農林水産省の定義によると正真正銘の「果物」なんです。今回はそんな栗の豆知識をた〜っぷりお伝えします!

栗の選び方(目利き)

● 重みがあってふっくら!
栗は重みがあってふっくらと丸みがあるものを選びましょう。収穫から時間が経つと乾燥して実が痩せて軽くなってしまうので、「重さ」が鮮度を表す指標になります。また、養分が少ない場合も軽くなる傾向があります。栗の中には平らなものもありますが、それよりは丸みのあるものの方がおいしい可能性が高いです。
他にも、傷や穴がなく見た目がきれいで、茶色い鬼皮の部分が固く、ハリや光沢があるものを選ぶと良いですよ〜♪

甘みUP!? 寝かせておいしい栗の保存方法

●乾燥禁物!ポリ袋に入れて冷蔵庫へ
栗は乾燥すると実が痩せるのでポリ袋などに入れて冷蔵庫もしくは野菜室で保存しましょう。

【寝かせて甘みUP!】
ポリ袋に栗を入れて封をし、冷蔵庫で3〜4日寝かせると糖が増えて栗の甘みが増すんです!驚き〜っ!!しかもちゃんと根拠があるんです♪
栗に含まれるデンプンがアミラーゼ(分解酵素)の働きによって活発に働くことにより、糖分が増えるんです。理想としては、栗を0℃〜マイナス1℃の凍る寸前の温度(凍らせてはダメ)にするとアミラーゼが活発になると言われています。
※ 栗が呼吸をしてポリ袋に水滴が出ることがあります。3〜4日置くときは、水分が出ていたら拭き取って、カビなどが付かないようにご注意を!

●皮をむいてから冷凍を!
栗は冷凍で保存できます! おすすめは、熱湯に1時間浸けて(または水に一晩浸けて)から鬼皮と渋皮をむき、密封袋などに入れて冷凍する方法。そうすることで、料理やお菓子作りなどに使いやすくなりますよ〜。

うれしい栗の栄養

●葉酸や亜鉛も豊富
栗には、葉酸、ビタミンC、カリウム、食物繊維、亜鉛が多く含まれています。中でも注目したいのが葉酸と亜鉛。葉酸は、赤血球の生産を助ける造血のビタミンと呼ばれています。さらに細胞の生産や再生を助けると言われていて、カラダの発育にも重要なビタミンです。葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養素だと言われています。
亜鉛は酵素の働きの促進、ホルモンの合成や分泌の調整、カラダの成長と維持のために必要な栄養素です。味覚に関わる細胞をつくる働きもあり、味を感じる味蕾(みらい)の再生にも関わっています。

●脂質はナッツ類の100分の1
くるみやアーモンドと比べると栗の脂質は100分の1以下なんです!脂質が気になる人向きの食材ですね♡ とは言え糖質は多い食材なので、油断して食べ過ぎるのは禁物ですよ〜♡

〈参考〉脂質量(可食部100gあたり)
くるみ(いり)…68.8g
アーモンド(乾)…51.8g
落花生(小粒種乾)…47.5g
日本栗(生)…0.5g
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
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栗の「へぇ〜」な豆知識

●食べている部分が“実”ではない!?
私たちが普段食べている部分って、じつは“種”なんです! てっきり実だと思ってましたよね〜。栗の実はなんと「鬼皮」の部分なんですって! 栗だけにびっクリ〜!ウフフッ♡

簡単!焼き栗の作り方

鬼皮付きの栗が手に入ったら「栗ご飯」や「渋皮煮」を作るのもいいですが、皮をむくのがちょっと面倒ですよね〜。そんなときは「焼き栗」がおすすめ! 簡単にできる作り方を紹介しますので、ぜひ作ってみてくださいね〜♪

けんちゃん流♡簡単焼き栗
【材料】
栗(鬼皮付き)…15〜20個(約500g)

【作り方】
1. ボウルに水を入れ、栗を約30分浸ける。包丁で栗の表面に深さ2~3mmの切り込みをに入れる。
2. オーブンの天板に間隔を空けて栗を並べ、170℃で25〜30分焼く(予熱不要)。
※加熱時間は目安です。栗の大きさによって調整してください。

●焼き栗はフライパンでも作れます♪
フライパンに栗を並べたら中弱火で20〜25分ほど乾いりしてください。栗の切り込み部分が膨れてきたら完成です。

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嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja