けんちゃん先生のおやさい知恵袋[ほうれん草]

けんちゃん先生のおやさい知恵袋[ほうれん草]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、野菜の豆知識を教えてくれる「おやさい知恵袋」。今回は、「ほうれん草」についてあれこれ聞いてみました。
それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「長いも」編、参考になりました~?
見てない方は、こちらからチェック💛
さて、今回ご紹介するのは…

緑黄色野菜の代表格ともいえるほうれん草。一年中手に入りますが、特においしいのは真冬の時期に採れたもので、栄養も豊富なんですよ。おひたしや和え物、炒め物など、いろんな料理に使うことができて、ホント重宝しますよね~。
今回は、そんなほうれん草の魅力を余すところなくお伝えしちゃいます💛

ほうれん草の目利き

●葉の緑色が濃く、鮮やかなもの

葉の色が両面とも濃い緑色で色鮮やかなものほど、新鮮なほうれん草だと言えます。また、葉に厚みがあるものも健康に育った証。水分をたっぷり含んでいて、葉の先端にまで栄養が届いています。逆に、葉が黒ずんでいるものは鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。

●茎が適度に太いもの

ほうれん草の茎の太さも、おいしさを見分けるポイントの一つ。茎が細いものは葉も小さく、おいしさに欠けます。逆に茎が太すぎるものは育ち過ぎて葉が固く、アクも強いので要注意です!

●根元が鮮やかなピンク色で葉が密集しているもの

根元が鮮やかなピンク色をしたほうれん草は、鮮度が高い証です。また、根元の方から葉が密集して生えているものほど、おいしいほうれん草だと言えます♪

ほうれん草は栄養の宝庫♪

ビタミンCやβカロテン、鉄、ポリフェノールなど、ほうれん草には体に必要な栄養成分がた~っぷり含まれています。ここでは、ほうれん草に含まれる主な栄養成分を教えちゃいますね💛

●ビタミンC
ほうれん草には、抗酸化作用のあるビタミンCがたっぷり。ビタミンCはカルシウムなどの吸収を促す効果も期待できるので、カルシウムを多く含む食品と組み合わせると、効率よく摂ることができますよ。
ビタミンCは、葉先に多く含まれています。特に、冬の時期に収穫されるほうれん草は、夏の時期に収穫されるものに比べて約3倍もビタミンCが含まれているんですよ!すごいですね~♪

●βカロテン
ほうれん草には、活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする働きがあるβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変化し、皮膚や髪、目の健康維持に効果が期待できる栄養素。油に溶けやすいので、ベーコンと一緒に炒めるなど、油を使う料理にすると効率よく摂ることができますよ~。

●鉄
ほうれん草は、他の野菜に比べると鉄を多く含んでいます。ただ、ほうれん草に含まれる鉄は「非ヘム鉄」と言われ、そのままでは吸収されない鉄なんです(シクシク)。でも、ほうれん草にたっぷり含まれているビタミンCが鉄の吸収をサポート。また、たんぱく質にも鉄の吸収を促す働きがあるため、お肉との相性もバッチリ!です♪

根元にも栄養がた~っぷり♥

ほうれん草の根元のピンク色は、ポリフェノールの色。抗酸化作用があるので、老化防止に期待できるんです💛 また、根元の部分には骨の形成に必要なマンガンなどのミネラルもたっぷり。おまけに甘み成分が蓄えられているので、甘くておいしんですよ。根元は捨ててしまう方も多いと思いますが、ある程度残して調理すると、ほうれん草の栄養分を余すことなく摂れますよ~。

ほうれん草の上手な保存方法

●生のまま保存する場合

水に浸けてサッと洗い、水気をよく拭いて、乾いた(ここポイントです!)キッチンペーパーや新聞紙などで包んでポリ袋へ。キッチンペーパーや新聞紙が濡れていると、葉から出る水分と混ざって、逆に鮮度が落ちてしまいます。立てた状態で野菜室や冷蔵庫のドアポケットで保存すると、1週間近くは持ちますよ♪

ただし、ほうれん草は生の状態で何日も置いておくとビタミンCがどんどん失われるので、早めの調理をおすすめします。

●下茹で保存ですぐに活用!

下茹でして保存すると、おひたしや味噌汁の具としてすぐに活用できて便利です。たっぷりのお湯で少し固めに茹で、しっかりと水気をきったらラップに小分けにして包んで冷蔵庫へ入れておくと重宝しますよ~。

●冷凍保存する場合

流水で全体を洗った後、ペーパータオルでしっかりと水気を拭き取り、そのまま、または食べやすい大きさにカットして密封できるポリ袋に入れ、冷凍庫へ。約1カ月保存できますよ♪ 使うときは、解凍せずにそのまま沸騰したお湯に入れて茹でましょう。

茹でて冷凍保存する場合は、下茹で後に使いやすい大きさに切って、ラップで小分けして冷凍庫へ入れておくと、調理するときに便利ですよ。ちなみに、この方法でも約1カ月保存できます。

けんちゃん先生のワンポイントアドバイス

砂糖で茹でるとしっかりアクが抜けて、えぐみを感じにくくなります。お子さんも、きっとパクパク食べてくれますよ。
ぜひ、お試しあれ!

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
〈ホームページ〉
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja