けんちゃん先生のたべもの知恵袋[牛乳]
管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、食べ物の豆知識を教えてくれる「たべもの知恵袋」。今回は「牛乳」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!
はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回のたべもの知恵袋「豆腐」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック♡ さて、今回は…
学校給食の定番メニューということもあり、小さな頃から馴染みのある牛乳。僕は牛乳が大好きで、小学生から高校生の間、ほぼ毎日1リットル飲んでいました!飲み過ぎですよね!ウフフッ(笑)
僕のようにそのまま飲むのが好きな方もいれば、コーヒーなどの飲み物に混ぜたり、料理にまろやかさやコクをプラスするために使う方も多いのではないでしょうか? 今回は、そんな牛乳の豆知識をた~っぷりお伝えします!
季節によって違う!?牛乳の味
牛乳を飲んでいて、夏場と冬場で少し味の違いを感じたことがある方はいますか?? 実はその感覚、大正解です♡ 生乳の味を年中均一に保つのは難しく、季節によって生乳に含まれる乳脂肪やたんぱく質が少しずつ変化しています。
涼しい気候を好む乳牛は、気温が高い夏場になると体力が落ちやすくなり、乳脂肪が下がるため、あっさりとした味わいに、逆に冬は寒さを乗り切るために脂肪分を体内に蓄えようとするため、濃厚な味わいになります。
改めて、牛乳が牛さんからのいただきものであることを忘れずに、おいしく飲みたいものですね♪
牛乳をおいしく保つ保存方法
⚫︎温度変化とニオイ移りに注意
10℃以下で冷蔵保存し、飲むときは牛乳パックごと食卓に出すのではなく、必要な分だけカップに注いで残りはすぐに冷蔵庫に戻しましょう。
また、冷蔵庫のドアポケットは開閉時の温度変化が大きいので、あまりおすすめできません。可能であれば冷蔵庫の棚を一段外し、立てて保存するとおいしさを保てます。
牛乳はニオイを吸着しやすいので、ニオイの強いものとは離して保存することも忘れずに~♡
︎⚫︎冷凍保存OK
製氷器に入れて凍らせ、凍ったら保存袋か密閉容器に移し替えてニオイ移りしないように保存しましょう。製氷器で小分けにしておくと、使いたい分だけ取り出せて便利です♪ ただし、冷凍すると牛乳の風味は多少落ちるので、シチューやコーヒー、紅茶など、料理や温かい飲み物で使うのがおすすめです!
カルシウムだけじゃない!牛乳の栄養
⚫︎5大栄養素を含む食品
牛乳の栄養素といえば、まず思い浮かべるのがカルシウム! 牛乳コップ1杯(200ml)で、成人女性1日の推奨量(※)の約3分の1のカルシウムを摂取できます♡
そして、牛乳が持つ栄養素はカルシウム(ミネラルの一種)だけじゃありません!実は、たんぱく質・炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素も含まれているんです(スゴイ!)。バランスよく栄養を摂取したいときにぴったりの食品なんですよ~!
※厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版
⚫︎骨を丈夫にしたいなら牛乳にはマグネシウムをプラス
カルシウムとマグネシウム(※)を一緒に摂ると骨が丈夫になると言われています。理想的な摂取比率は、カルシウム2に対し、マグネシウム1。カルシウムの半分を目安にマグネシウムを摂取する、と覚えておいてくださいね♡
※マグネシウムの働きは、骨の形成を助け、神経・筋肉・血圧などの調整に関わっています。
マグネシウムを含む食品は、あおさやわかめ、昆布、ひじきなどの海藻類、アーモンドやごまなどの種実類、玄米など。
例えば、朝食時に種実類が含まれているグラノーラに牛乳をかけて食べると相性◎! 和食の場合は玄米や海藻類入りの味噌汁でマグネシウム食材をプラスして、一緒に牛乳を飲むようにすると良いですよ〜♪
ちなみに、カルシウム&マグネシウム食材を使った、僕のおすすめ料理は坦々うどん!牛乳に焼肉のたれ、ごまや味噌でスープを作り、茹でたうどんにスープをかけるだけ。簡単でとってもおいしいですよ~♡
牛乳を飲むのは朝と夜どっちがいい?
●睡眠の質を向上したい方は朝牛乳!
牛乳に含まれるトリプトファンから、セロトニンが作られ、およそ14〜16時間後に睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンに変わると言われています。朝に牛乳を飲むことで、メラトニンの材料になるトリプトファンを摂取できるので、睡眠の質を向上したい方におすすめなんです♡
※出典:一般社団法人日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
●骨を丈夫にしたい方は夜牛乳!
骨へのカルシウム蓄積は夜に優位になると言われています。そのため、夕食にカルシウム豊富な牛乳を取り入れると、骨の形成に役立つとされています。一日の終わりに、あたたかいミルクでリラックスしながら“夜牛乳”を飲む。なんだかほっこりできそうですね♡
※出典:一般社団法人日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
牛乳の苦手克服のコツ
牛乳をそのまま飲むのが苦手な方もいると思います。牛乳は、加熱したり、何かと混ぜたりしても栄養はほとんど変わらず、アレンジしやすいのも特長のひとつ。苦手克服のために試しやすいアレンジ方法をいくつかご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね!
⚫︎ドリンクアレンジ
ココア、きな粉、紅茶、抹茶などと混ぜると飲みやすくなります。
⚫︎粉物アレンジ
ホットケーキやクレープ、たこ焼きやお好み焼きなど、生地に牛乳を混ぜて加熱調理したものだと食べられることも。
⚫︎料理アレンジ
カレーやハヤシライスなどのお肉料理に牛乳を加えると、お肉の脂と合わさっておいしくなります♪
profile
嘉村健志(かむらけんし)さん
管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja
