健康を願う「思い」を伝える、漬け物の作り方【ぬか漬け編】

健康を願う「思い」を伝える、漬け物の作り方【ぬか漬け編】

ぬか漬けと聞くと「手作りするのは難しそう…」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、筑紫野市でぬか漬け教室を開いている永野 懐(ながの なつき)さんに、作り方とそのポイントをうかがいました。


ぬか床づくりにチャレンジ!

【材料】
・米ぬか
・水
※ぬかと水の分量は1:1
・天然塩…ぬかの量に対して7%
・昆布、唐辛子、実山椒…適宜

・食品用のふた付き保存容器

【作り方】
1. 材料を混ぜ合わせる
・水は浄水器を通したものか、湯冷ましを使います。
・塩はミネラル分を豊富に含むものがおすすめ。
・昆布を入れると旨みが加わります。
・唐辛子は防腐のために入れます。
・実山椒をゆでたものを加えると、香りが良くなります。

2. 「捨て漬け」で菌を育てる
「捨て漬け」とはキャベツの外葉などを使って、野菜の表面の乳酸菌をぬか床に移す作業のこと。ぬか床を常温に置き1日1回は底からしっかり混ぜ、野菜は2〜3日で交換します。野菜から出た水分はぬか床にしぼり入れてください。夏季は2〜3週間、冬季は3〜4週間、これを繰り返します。


すべての材料を器の中に入れます。

すべての材料を器の中に入れます。

しっかり器の底から混ぜ合わせる。

しっかり器の底から混ぜ合わせる。

**ポイント** 混ぜる際に「種菌(たねきん:既に熟成したぬか床)」があると早く熟成します。

捨て漬けはキャベツの外葉や大根の端の部分などを使います。

捨て漬けはキャベツの外葉や大根の端の部分などを使います。

野菜が見えないように、上からしっかりと押し固めて常温で保存します。

野菜が見えないように、上からしっかりと押し固めて常温で保存します。

好きな食材を漬けよう

生野菜は塩揉みしてから、生で食べられない野菜はボイルしてから漬けます(塩揉み不要)。キノコ類はヒダにぬかが入りやすいため、ボイル後キッチンペーパーに包んで漬けると、後で洗う手間が省けますよ。肉や魚、たまごなどは、ぬか床には直接入れず、チャックシール付きビニール袋に取り分けて漬けましょう。

冷蔵庫で保存し、1日〜1日半で食べられるようになります。漬け込み時間は、食材の大きさなどによって異なります。ご家庭の好みの味になるように、調整してください。

**ポイント** キッチンペーパーに包んで漬ける方法は、ぬかが入り込みやすいキノコやブロッコリー、ぬか床の中で行方不明になりやすいミョウガなどにとても便利です。

水分が多くなってきたら“足しぬか”の合図


しばらく野菜を漬けていると、ぬか床の水分が多くなってきます。手で握ってみて、指の間から水滴が落ちるようになったら足しぬかの合図。1合(180㎖)のぬかに対して、塩小さじ1/3を加えます。このように、ぬかを継ぎ足しながら使っていきます。

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教えてくれたのは

profile

永野 懐(ながの なつき)さん

永野 懐(ながの なつき)さん

漬匠なが野代表。発酵食料理研究家。ぬか漬けをはじめとした発酵食の素晴らしさを伝えるため、福岡県筑紫野市にある「ふところ庵」で料理教室を開講している。ローフードマイスター1級。

●永野さんのInstagram
https://www.instagram.com/natsukisjy/