小さな子連れの防災対策 第2話

小さな子連れの防災対策 第2話

大規模な自然災害が起きた時、小さな子どもを抱えている人は果たしてどう動くべきなのでしょうか? 2回目の今回も、防災士であり、抱っことおんぶの専門家でもある松川直子さんに、子連れ防災のポイントを教えていただきます。

大規模災害が発生! 避難のタイミングは?

松川さん:
「災害時、小さな子どもがいる場合は早めの行動が大原則です。前回お話ししたように、どうしても非常時には“凍りつき症状群”や“正常性バイアス”の状態に陥ってしまう危険があります。“迷ったら即行動!”を心がけてください。

子連れでの避難は何かと気を使うものですが、最近は避難所でも子連れ専用のスペースが設けられるようになるなど、以前ほど周囲に気を遣わずに過ごせる配慮は進んでいます。

ただし、ハザードマップで自宅が災害危険箇所から外れている場合や、水害の恐れがあっても自宅が高台にあったり中層階以上のマンションに住んでいる場合などは、自宅から出ないという選択肢もあります。しっかり備えた上で“家を最強の避難所にする”という考え方です。

子どもにとっては、避難所生活はとてもストレスがかかるもの。自宅が安全な場合は、無理に避難する必要はありません」

子どもが食べ慣れたものをローリングストック

一方で、「自宅は避難所よりも食料や生活必需品などの物資が届きにくいというデメリットもあります。いざという時のために家族が最低でも3日〜1週間過ごせるだけの備蓄をしておいてください」と松川さんは言います。

「水は1人3リットル×日数を目安に、家族全員分準備しましょう。おかゆは離乳食代わりにもなるので、乳児がいる家庭では重宝します。食品はローリングストック法で備蓄することで、『蓄える』、『食べる』、『補充する』のサイクルを定期的に回して必要な量を常に確保できるほか、子どもが食べ慣れているものを備蓄できるというメリットもあるので、ぜひ取り入れてみてください」

行動と気持ちも、普段から備えておこう

松川さん:
「災害が起きた時、自宅を避難所とするのか、地域の避難所に行くのか、または地域を離れて知り合いや親族の元に身を寄せるのかなど、家族であらかじめルールを共有しておくことも、普段からやっておくべき備えのひとつです。もしもの時の家族のルールは、普段からきちんと話し合っておきましょう。

また、大人だけでなく、子どもにも自分で身を守ることの大切さを教えておくことがとても重要です。いざという時にも落ち着いて行動でき、自らコミュニケーションを図ることができる子どもは、生きる力も強いものですよ」

遊びの延長で非常時の感覚に慣れておく

松川さん:
「災害時に起こり得る状況を普段から子どもに遊び感覚で体験させておくことは、非常時にとても役立ちます。便利な生活を少し離れ、自然とともに不便を楽しむことが防災の知識を身につけることにもつながりますので、ぜひ家族みんなで試してみてください」

暗闇に慣れる
停電時は、急な暗闇に驚き、パニックになる子どもも。夏至や冬至の夜、電気を消し、ろうそくを灯して過ごす「キャンドルナイト」など、楽しみながら暗闇に慣れる工夫をしてみましょう。

火に慣れる
ガスや電気が止まった場合を想定し、火の扱いに慣れておくことも大切です。キャンプやアウトドアで火起こしをして料理をするなど、避難時の環境に近いレジャーを遊びとして取り入れるのもおすすめです。

「もしも!」の時に子連れで安全に行動するには、「心」と「物」の備えはもちろんですが、子どもも含めた家族全員が「生きていく力」を備えることも防災の一環です。
日頃から、防災についての正しい知識と高い意識を持った生活を送りましょう!

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松川直子(まつかわなおこ)さん

松川直子(まつかわなおこ)さん

福岡県在住。アロマ・ボディセラピストとして、福岡県筑紫野市でサロン「クローバー」を開設。年間100回以上、アロマテラピーの講座を開催。また、防災士の資格を生かして、子育て中の方を対象に防災・減災の講座も行っている。
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