【授乳の悩み】母乳育児中に病気になった場合、母乳を与えても良いのでしょうか?

【授乳の悩み】母乳育児中に病気になった場合、母乳を与えても良いのでしょうか?


母乳育児中に風邪や感染症など自分が病気になったとき、母乳を与えても良いのでしょうか?母乳を与えない方が良い病気や、病気にかかったときの授乳の注意点を教えてください。



症状が軽い場合は母乳を避けることはほとんどありません

母乳による母児感染症のリスクがある場合や、重い病気で母乳を与えることで母親に強い負担があるとき以外は、母乳を避けることはほとんどありません。例えばかぜや胃腸炎なっても、症状が軽ければ感染対策を行いながら母乳哺育を続けることはかえって母親の負担も軽く、問題はありません。

また、お母さんが飲んだ薬の一部は母乳の中に移行しますが、ほとんどの場合赤ちゃんに影響はなく、たいていは母乳をやめる必要はありません。感冒薬や胃腸薬、解熱剤(アセトアミノフェン)などは普通に飲めますが、心配な場合は赤ちゃんのかかりつけ医にご相談ください。

一方でテトラサイクリンという抗生物質は、赤ちゃんの歯に着色するリスクがあり避けられます。多くの抗がん剤を内服する場合も母乳は避けられるでしょう。勝手に必要な薬を止めたりせず、心配な時はかかりつけ医に相談しましょう。

きれいな水がなくてもいつでもどこでも飲ませられ、消化しやすいなど、母乳のメリットはたくさんあり、初乳には赤ちゃんを守る免疫物質が多く含まれています。また、粉ミルクはできるだけ母乳に近くなるように調整されていますので、人工栄養の時は母乳栄養のメリットを補うことを意識するとよいでしょう。

お悩みに答えてくれたのは

profile

岡本 茂樹(おかもと しげき)先生

岡本 茂樹(おかもと しげき)先生

医療法人 おかもと小児科クリニック院長
1974年九州大学医学部を卒業後、国家公務員共済組合連合会千早病院小児科、沖縄県立八重山病院小児科、福岡徳洲会病院小児科勤務を経て、1995年12月、福岡市東区青葉にクリニックを開業。

専門医療は小児科一般、感染症、新生児医療、東洋医学(漢方診療)、アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)。

2019年4月からは副院長と親子で診療を行っており、校医や園医も数多く務め、地域の小児医療に積極的にとりくんでいる。

・おかもと小児科クリニック
https://www.okamotokids-c.com/