子どもと防犯③「自分が犯人ならどうする?」の視点で

子どもと防犯③「自分が犯人ならどうする?」の視点で

子どもだけで留守番をさせるとき、「こうしておけば大丈夫」という正解はありません。自宅の立地、家族構成、生活パターン、近所付き合いの有無などで、気をつけるべき事柄は異なります。
例えば留守番中にインターフォンが鳴ったときの対応も、ケースバイケースです。「誰が来ても一切対応しない」という方法が有効である場合も多いのですが、万が一空き巣が多いエリアであれば、居留守が身の危険に直結することもあります。
家族であらかじめ話し合って、わが家のオリジナル留守番ルールを用意するようにしましょう。その際「自分が犯人ならどうやって子どもに接触しようとするだろう?」という視点で考えてみることをおすすめします。ネットで公開されている「福岡県警察 犯罪統計」をのぞけば、校区ごとの犯罪傾向も分かります。ぜひ参考にしてください。
子どもは約束事が多いと混乱するので、ルールはできるだけシンプルに。「わからないことは全部保護者に電話して聞く」と1つだけにするのもアリです。

家での防犯のヒント

子どもに留守番をさせる機会が多い家庭では、より安心できる環境を整えておくことが必要です。

ポイント①録画機能付きインターフォンを活用
来客の録画機能が付いたインターフォンもあるので、留守にすることが多い家庭はぜひ活用を。実際に役に立つのはもちろん、付けていること自体が犯罪の抑止力にもなります。

ポイント②近所との関係づくりを
日頃から「向こう三軒両隣」の互助関係を確立しておきましょう。連絡先も交換しておくと安心です。また、地域の行事には積極的に参加して知り合いを増やしましょう。

ポイント③保護者との連絡手段を確保
スマートフォンや家の電話など、子どもから保護者に連絡を取ることができる手段を確保しておきましょう。緊急時だけでなく、定時連絡も入れるように決めておくと安心です。

ポイント④「鍵っ子」とさとられない工夫を
「家に誰もいない」と気づかれないよう、自宅の鍵はランドセルや首にぶら下げず、隠して携帯させましょう。帰宅時には「ただいま」と声を出すよう伝えておくのも一案です。

profile

宮田健二(みやたけんじ)さん

宮田健二(みやたけんじ)さん

元福岡県警察官。刑事や犯罪鑑識の経験を生かし、現在福岡県委嘱の「福岡県安全・安心まちづくりアドバイザー」として防犯教室や護身術講座の講師を務める。