子どもと防犯②外で気をつけたい子どもの防犯

子どもと防犯②外で気をつけたい子どもの防犯

外で気をつけたい子どもの防犯

体が小さく力も弱い子どもたちは、いったん襲われてしまうとどうすることもできません。ですから子どもの防犯対策では「襲われたときどうするか」よりも先に「襲われないためにどうするか」を考えておくことが大切。そこで必要となるのが「あの人(この場所)、何か不自然だ」といち早く気づき、距離を取る力=「防犯力」です。
防犯力を育てるためには、危険についてただ教えるだけではなく、自分自身でも考えさせ、気づきを促す方法がおすすめです。自分の頭を使う作業が入ることで、防犯意識がより子どもに根付きやすくなります。
なお、子どもと防犯の話をする際には「具体的に」が鉄則。「変な人に気をつけて」といったあいまいな表現をすると、一般的な服装をした人は変ではないから大丈夫、などと誤った判断をしてしまう恐れが。気をつけるべきシーンの例を具体的に挙げながら、家族で一緒に考える機会を持ちましょう。

子どもへの注意は具体的に

「知らない人について行かない」「変な人に近づかない」と、ぼんやりとした注意を繰り返しても、子どもには伝わりません。「知らない人ってどんな人?」「変な人ってどんな人?」と考えさせ、実際の例を一緒に考えてみましょう。

◎ それ、本当に「知ってる人」?
□ 何度か会ったことがある人だけど…?
□ 自分の顔と名前を知っているけど…?
□ 公園でよく見るおじちゃんだけど…?

◎ 「変な人」ってこんな人!
□ 何かあげると言って誘う人
□ 写真を撮ってあげると誘う人
□ 虫を採ろうと誘う人
□ お母さんから頼まれたと言う人

不自然に気づく防犯力を身に付けましょう!

何かおかしいと感じたら、ランドセルを捨てて逃げて!

重いランドセルを背負ったままでは素早く動けません。普段から「何かおかしいと思ったらランドセルを捨てて逃げて」と伝えておきましょう。ランドセルが落ちていれば周囲の注意を引き、子どもの身元の確認も早まります。

「虫が入ったよ!」などと偽ってランドセルを取り上げ、ついてくるよう促す卑劣な手口もあります。“ランドセルは取られてもいいから逃げて”の声かけを。また、防犯ブザーはランドセルではなく、ポケットなどに入れるようにしましょう。

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宮田健二(みやたけんじ)さん

宮田健二(みやたけんじ)さん

元福岡県警察官。刑事や犯罪鑑識の経験を生かし、現在福岡県委嘱の「福岡県安全・安心まちづくりアドバイザー」として防犯教室や護身術講座の講師を務める。