子どもと防犯④SNS を利用した犯罪に警戒を

子どもと防犯④SNS を利用した犯罪に警戒を

子どもにとってSNSは悪いだけのものではありません。世界中の人々とのやり取りを通して視野を広げたり、自分の居場所を得られたりと、良い面もたくさんあります。
一方、インターネットやSNSを通じて被害にあう子どもの数は、年々増加傾向にあります。被害者の大半は高校生や中学生ですが、小学生の被害も決して少なくはありません。スマートフォン所持の低年齢化が進む中、SNSで気軽に知らない人とやりとりしてしまい、思わぬ被害にあうケースが増えているのです。
被害を防ぐためには、「ネット上の相手の本当の姿は見抜けない」「情報や画像が一度拡散されてしまうと消せない」といったインターネット利用のリスクについて子どもに伝え、一緒に考える機会を持ちましょう。わが家のルールを決めたり、万が一のトラブルの際、保護者に相談しやすい雰囲気をつくっておくことも大切です。

福岡県でもこんな事例が起こっています!

被害者の4割が中学生以下!2021年度中に福岡県でSNSを通じて被害にあった子どもの内訳
※福岡県警察本部発表の資料による

「小遣い欲しさに子どもが自らネット上に援助交際を求める書き込みをして、買春被害にあったケース」、「だまされたり脅されたりして自分の裸体などを撮影・送信させられ、その画像を不特定多数に広められたケース」などがあります。男児がターゲットにされた事例もあります。自分は関係ないと思わずに安全対策を。

●フィルタリング機能を使おう

スマートフォンの端末などに搭載されているフィルタリング機能を活用しましょう。「2021年度中にSNSがきっかけで犯罪にあった児童」について福岡県警が調べたところ、フィルタリングの利用有無が判明した被害児童75人のうち、93.3%がフィルタリングを利用していなかったことが報告されています。

●インターネットの安全利用のため家庭でチェックしてみよう
□ 子どもが接続するサイトやダウンロードするアプリは保護者が確認する
□ 下着姿や裸の写真は撮らない、撮らせない
□ 個人を特定される情報を書き込まない
□ 利用料金や利用時間を決める

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宮田健二(みやたけんじ)さん

宮田健二(みやたけんじ)さん

元福岡県警察官。刑事や犯罪鑑識の経験を生かし、現在福岡県委嘱の「福岡県安全・安心まちづくりアドバイザー」として防犯教室や護身術講座の講師を務める。