気持ちとの向き合い方 ③

気持ちとの向き合い方 ③

より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナー・野口紀子さんが、イライラの感情をコントロールする方法をアドバイスします。

反抗も成長と捉え、親どうしで悩みを共有

小学校の高学年くらいになると、歯磨きをしない、服を着替えないまま寝るなど、今までの習慣を覆す行動をすることがあります。その時、「イライラして怒ったけれど、子どもは話を聞かない」という親の一人相撲になってしまった経験はありませんか? また、「うまく子育てができていないのかな」と一人で抱え込んでいませんか?

子どもが身の回りのことを「面倒くさいな~」と思うのは、自分自身の行動を意識しはじめているということ。話を聞かないのも、親の反応を見ながらさまざまなことを考えるようになったからこそ出た態度です。イライラしたり不安になったりせず、「成長しているんだな」と笑って見過ごすくらいで大丈夫です。

また、子どもの気になる行動は親どうしで話をすれば「あるある」だったりもします。一人で悩まず、他者と悩みを分かち合うことで気分も緩やかになります。親どうしのコミュニケーションが助けになりますよ。

まとめ

気持ちと向き合う方法を身に付けて子育ての不安や悩みを解消しよう

◎親と子どもそれぞれの立場に立ってみよう
自分だけでなく子どもがどう思っているのかそれぞれの視点で整理してみましょう。立場を変えた見方をすると子どもがとる行動の理由を理解できるようになります。

◎自分の考えを見直し、子どもの行動を変えよう
自分の考えは本当に適当なの? 自分の考えに柔軟性を持たせると接し方が変わり、イライラや不安の原因となる子どもの行動も変わっていきます。また、子どもの行動を変えるには、「私」を主語にして自分の気持ちや変えてほしい行動を伝える「I(アイ)メッセージ」も有効です。


3回にわたってご紹介した「気持ちとの向き合い方」。子どもの行動にイライラしたり、育児に自信が持てず不安になったりしたときは、これまでに紹介した2つの項目とあわせて参考にしてみてくださいね。

profile

野口紀子(のぐちのりこ)さん

野口紀子(のぐちのりこ)さん

心理学をベースに、さまざまな考え方や技法を取り入れて、より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナーに。25年間で延べ5000人以上の親御さんたちに、子どもとの接し方などを伝えている。自身も3人の子どもの母。親子関係・人間関係の悩みに寄り添って改善する「トータルファミリーカウンセリング」を開設。「NPO法人ペアレント・スキルアップ福岡」の理事。エフコープくらしの学習サポーターにも登録している。

●トータルファミリーカウンセリング
http://www.total-family-counseling.com
●NPO法人ペアレント・スキルアップ福岡
http://www.ps-fukuoka.jp