気持ちとの向き合い方 ②

気持ちとの向き合い方 ②

より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナー・野口紀子さんが、イライラの感情をコントロールする方法をアドバイスします。

自分の考えを見直し、子どもの行動を変える伝え方

イライラの感情をコントロールできず、後悔したことはありませんか?イライラを収めるにはその原因となっている自分の考えが適当なのか考え直すことから始めてみましょう。良い悪いの基準で考えるのではなく、少し加減をしたり、柔軟性を持たせることはできないかという視点でみることから試してみてください。

子どもが片付けをしないことでイライラしたとします。「子どもが、物が見つからないと騒ぐのではないか」と考えているのなら、「しばらく目をつぶり、週1回は親がサポートすることにしよう」という風に変えてみましょう。親が一緒に片付ける、片付けるペースを提案するなどの選択肢もあります。

このように自分の考えを変えるとイライラの原因となる子どもの行動も変わっていきます。考えに正解はなく、立ち止まって自分で考えることが大切であり、そうすることでイライラは減っていきます。

I(アイ)メッセージの活用で行動を変える

自分の思い通りに相手が行動しないときにイライラしてしまうわけですが、自分の要求を相手に伝える方法として「Iメッセージ」があります。「あなたはどうして片付けないの?」など相手を主語にして責める口調で伝えるのではなく、「私」を主語にして自分の気持ちや変えてほしい行動を伝えます。相手は行動を選択することができ、片付けようという気にさせる、というのが「Iメッセージ」です。右記のような順番で穏やかに伝えると、子どもも関心を持ってくれます。

① まず子どもの行動を指摘します


自分の気持ちを言います


③ 次に理由を言います


④ 子どもにしてほしい行動を言います


次回は、「反抗も成長と捉え、親どうしで悩みを共有」についてお話しします。

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野口紀子(のぐちのりこ)さん

野口紀子(のぐちのりこ)さん

心理学をベースに、さまざまな考え方や技法を取り入れて、より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナーに。25年間で延べ5000人以上の親御さんたちに、子どもとの接し方などを伝えている。自身も3人の子どもの母。親子関係・人間関係の悩みに寄り添って改善する「トータルファミリーカウンセリング」を開設。「NPO法人ペアレント・スキルアップ福岡」の理事。エフコープくらしの学習サポーターにも登録している。

●トータルファミリーカウンセリング
http://www.total-family-counseling.com
●NPO法人ペアレント・スキルアップ福岡
http://www.ps-fukuoka.jp