ケガをしにくい体をつくろう!子どもロコモトレーニング①

ケガをしにくい体をつくろう!子どもロコモトレーニング①

ロコモとは、要介護の原因になりやすいとされている「立つ」「歩く」といった体の移動機能が低下した状態のこと。最近では大人だけでなく、「子どもロコモ」が増えているのだそうです。そこで、香椎原病院 体力向上支援センター科長で健康運動指導士の畑中慎太郎(はたなか しんたろう)さんに、ロコモ度チェックや簡単にできるトレーニング「ロコトレ」を教えてもらいました。1回目は子どもロコモの特徴や傾向、ロコモ度チェックを紹介します。

子どもロコモとは?

ロコモとは「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の略称です。骨・筋肉・関節といった体を動かすための部位(以下、運動器)の障害によって「立つ」「歩く」といった移動機能が低下し、将来介護が必要になるリスクが高い状態のことを言います。「子どもロコモ」の場合は、頻繁に転んだり、骨が折れやすかったりする特徴があります。

大人のロコモは運動器の疾患や加齢による原因が多くを占めますが、「子どもロコモ」は、スマートフォンやゲームなどで家に閉じこもりがちになり、体を動かす機会が減っていることなどが要因として挙げられます。また、大人と違い、子どもの場合はロコモの状態を放置したまま成長期を終えると、20~30代を迎えた時に、骨が弱く折れやすくなるなど、何らかの影響が出てくるとも言われています。

学校の体育の授業は問題なくできているお子さんも、ロコモ度チェックをしてみるとできない項目があることも。まずは、ロコモ度チェックで「子どもロコモ」かどうか確かめてみましょう。

子どもロコモチェックで確かめてみよう!

今回紹介するのは、5つの「子どもロコモチェック」です。5つ全部できればセーフ!1つでもできないものがあったら、子どもロコモに該当するかもしれません。お子さんが転びやすかったり、ケガをしやすいという方は、一緒にチェックしてみてくださいね。

参考/認定NPO法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会(SLOC) 「子どもとロコモ読本」

1. 体のバランス
両手を広げて、片足で立ってみましょう。ふらふらせずに5秒以上立つことができますか?左右両方でやってみましょう。

2. 下半身の柔軟性
しゃがんでみましょう。足の裏を床につけて、後ろに倒れないでしゃがめますか?

3. 上半身の柔軟性
両手をまっすぐ上に上げてみましょう。垂直に上げることができますか?

4. 肩甲骨と股関節の柔軟性
膝を伸ばしたまま、指が楽に床につきますか?

5. 上半身の動き
じゃんけんのグーを作りながら肘を引き、パーにしながら腕を前に出します。スムーズにできますか?パーのとき、手首と指がしっかり反っていますか?

5つの項目のうち、お子さんはどれくらいできましたか?次回は子ども向けのロコモトレーニング(ロコトレ)を紹介します。できない項目があったお子さんも、ロコトレにチャレンジしてケガをしにくい体をつくりましょう。

profile

畑中 慎太郎(はたなか しんたろう)

香椎原病院・体力向上支援センター科長。健康運動指導士として、健康づくりイベントなどで講師を務める。エフコープでも、中部ブロック活動委員会主催の「健康体操教室」で講師として活躍。

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