福岡県でも義務化に! 自転車保険に加入していますか?
2020年10月1日から福岡県でも自転車保険への加入が義務化されたのをご存じですか?未成年者も対象(※1)となるため、子どもが自転車を使用している場合は、親が加入する必要があります。そこで今回は、自転車保険の必要性や選び方について紹介します。
(※1)18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者
なぜ自転車保険への加入が義務化されたの?
相次ぐ自転車事故による高額賠償事例を受けて、被害者救済と加害者の経済的負担の軽減を図る意味合いから、自転車保険への加入義務化が全国的に進んでいます。
2020年9月時点の福岡県警の分析資料によると、福岡県内の自転車事故で最も多いのは19歳以下の未成年者の事故。発生する時間帯は16時~18時、8時~10時の順に多い結果となっています。
2020年10月末時点の自転車関連の交通事故分析 参考/福岡県警 交通企画課統計分析係
全国に先駆けていち早く義務化を始めた兵庫県では、小学生が自転車で帰宅途中に歩行者の女性と衝突し、その女性が意識不明の重体となり、9,500万円を超える賠償額になった判例も。福岡県でも自転車事故で賠償を求められるケースは年々増加傾向にあり、義務化による罰則はないものの、自転車保険の必要性がわかります。
また、県外に住んでいる方が福岡県内で自転車に乗る場合も、義務化の条例が適用されます。そのため、通勤や通学、旅行(自転車に乗る場合)などで福岡県を訪れるという方も加入が必要です。
自転車保険の種類
自転車保険には「被害者への補償」「自分自身への補償」「自転車本体の補償」など、さまざまな補償内容があります。今回、義務化されたのは「自転車損害賠償保険等への加入」。自転車事故によって相手の身体が害された場合や、モノを壊した場合に賠償金を補償してくれる「個人賠償責任保険」や「個人賠償責任特約」を選びましょう。
●主な個人賠償責任保険
①自転車保険
自転車事故の損害補償に特化した保険。コンビニエンスストアで加入手続きができるものや、無制限補償の保険、自身のケガへの保障を付帯できるものもあります。
②加入済み保険の特約
火災保険、傷害保険、団体保険、協同組合の組合員が加入できる共済など、加入済み保険の特約で自転車事故の損害保障を付帯できる場合があります。中には付帯できない保険もあるので、契約内容を確認しましょう。
③TSマーク付帯保険
自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付される「TSマーク」がついた自転車に掛ける保険。青色と赤色の2種類あり、それぞれ内容が異なります。有効期間は1年。
上記のほかに、クレジットカードに個人賠償責任保険が付帯されている場合もあります。まずは、加入済みの保険やクレジットカードに個人賠償責任が付帯されていないかを確認するのがおすすめ。以下のチャートで確認してみましょう。
福岡県生活安全課交通安全係「自転車損害賠償保険の加入状況の確認」より引用
自分に合った自転車保険に加入しよう
大切なのは、義務化されている補償に加え、自分に必要な補償が付いているか、付帯サービスや特約はどうかということ。しっかり確認してから加入しましょう。
●保険選びのチェックリスト
◆補償額
近年、高額賠償が頻発しているため、補償額は十分に備えましょう。補償額は保険の商品によって幅がありますが、1億円~3億円の補償額が中心。中には無制限のものもあります。
◆示談交渉サービス
賠償責任が発生した場合に、被保険者に代わって、保険会社が相手方と示談に向けた交渉を行ってくれるサービス。
◆適用範囲
加入者のみが補償される「個人向け」と加入者の家族まで補償される「家族向け」があり、子育て世帯には家族向けがおすすめ。ただし、保険によって家族の範囲や適用される条件が異なる場合があるので、注意が必要です。
◆自転車本体の補償
自転車本体の補償は「個人賠償責任保険」に付帯されていないケースが多いため、高額な自転車は損害保険に加入するなどしてカバーしましょう。
◆自転車ロードサービス
事故が起きた場所まで駆けつけ、自転車を搬送してくれるサービス。パンクや電動アシスト自転車のバッテリー切れなどに対応してくれるケースもあります。
◆自分自身のケガの補償
個人賠償責任保険だけでは、事故で負った自分自身のケガによる通院や入院の補償はされません。そのため、傷害保険(ケガ保険)などに加入して、個人賠償責任保険を付帯するのがおすすめです。
自動車事故と同じように加害者になると経済的に大きな負担を抱える自転車事故。まだ加入していない方はもちろん、すでに加入している方も、補償内容を見直して自分に必要な補償が付いているかもう一度確認してみましょう。