思わず体を動かしたくなる『ぱぴぷぺぽーず』

夏休み。真夏の昼間をもてあましている子どもたちは、いませんか？ 特に下に赤ちゃんがいる、お兄ちゃんお姉ちゃん。パパママは赤ちゃんを連れて灼熱の太陽の下に行くわけにはいかず、お兄ちゃんお姉ちゃんのお外遊びが少し減っちゃいますよね。そんな事情からか、兄弟で楽しめる絵本はありませんか？ とご質問いただくことがあります。
そんな時はみなさん、バンダナやハンカチと、この絵本を準備してください。絵本に登場するのは、忍者5人（１人はネコなんだけど）。「ぱぴぷぺぽ」に合わせてポーズをとります。両手を広げて「ぱっ！」。ほっぺをつついて「ぴっ！」。「ぷっ！」はご想像通りかと思いますが、みんなで楽しくポーズを取って遊びます。お子さんには、バンダナを忍者頭巾のように被せてあげると、しばらく忍者になって楽しんでくれますよ。忍者になりきって、おうちの中のいろいろなものを使って、工夫しながら遊んでくれますし、その姿は何とも愛らしいものです。
一方、赤ちゃんは両唇破裂音を楽しんでくれます。両唇破裂音というのは「パ」や「バ」などの音。よく、おじいちゃまだけ「ジジ」と呼んでくれない…と落ちこんでいらっしゃるのですが、「パ」や「バ」は発音しやすいんです。ですから、「パパ」も「ママ」も「ババ」も先に呼ばれるわけです。いつか必ず「ジジ」と呼んでくれる日が来ますから、どうか安心してください。絵本を読んでいると、かわいいお目々で、読み手の口元をじっと見たりしていますよ。これもまた、極上のかわいさです。おじいちゃまもぜひ、里帰りされたお孫さんと一緒にこの絵本を楽しんでみてください。

『ぱぴぷぺぽーず』
作：新井洋行
文溪堂