今の気持ちにピッタリなことばを探そう『大きな字の和の感情ことば選び辞典』

今の気持ちにピッタリなことばを探そう『大きな字の和の感情ことば選び辞典』

書店「からすのほんや」店主・からすちゃんが選ぶ、子どもと、本と(41)


いつもは絵本を紹介していますが、今回は辞典をおすすめしちゃいます。実は私、無類の辞典好き。新しい版が出ると、以前の版と読み比べて楽しんだりもします。
ところで先日、ある心理カウンセラーさんとお話する機会があり、カウンセリングの時に困っていることについて聞きました。カウンセリングは、自分の中にある感情を言葉にして消化したり、カウンセラーと一緒に問題点を整理したりするものです。ところが、最近は気持ちや感情の言葉をうまく使えずに、困っている人が増えているとのこと。これでは、カウンセリングに長い時間を要してしまうとのこと。
普段、私が子どもたちを見ていても、「楽しかった」とか「いやだった」という表現はできても、自分の体験を詳細に表現できる子はかなり減っているように思います。もちろん個人差はあるのでしょうけれど、友達とお茶をしたり、長電話して、普段イライラすることや腹の立つことについて愚痴を言ったりしてスッキリしちゃうってことも、減っているのかもしれませんね。
そこでご提案!この辞典を読みながら、自分に起こった出来事を思い返してみてください。例えば私は、最近ワンピースの背中のボタンを開けたまま人に会いまして、ご指摘を受けた際に、とても恥ずかしい気持ちになりました。辞典のキーワードの「恥ずかしい」の中から「顔から火が出る」という見出し語を読んでみると、この状況に正にピッタリでした。辞典の言葉通り、私の顔は真っ赤になっていたらしいのです。
そして、まあ、こういう言葉があるってことは、結構みんな同じような失敗をしてるんだろうな…と思うと、ちょっと気が楽になりました。短い時間で楽しめて、どこにでも持っていけるポケットサイズというのもありがたい。ぜひ一度お試しください。

今回ご紹介した本

『大きな字の和の感情ことば選び辞典』
学研辞典編集部 (編)
Gakken

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

芳野仁子(よしののりこ)さん

子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/

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