
あかちゃんと遊ぼう『あかちゃんとお母さんのあそびうたえほん』
書店「からすのほんや」店主・からすちゃんが選ぶ、子どもと、本と(53)
冬になると、どうしてもお部屋にこもりがちになりますよね。あかちゃんと暮らしているみなさん。そんな時はどのようにすごしていらっしゃいますか?
もう数年すれば、「タブレットやスマートフォンが、生まれた頃からあるよ」っていう保護者の方も、多くなってくるのかなあ。便利ですからね。上手に使って生活していきたいものです。買い物先やレストランなどで、小さなお友達がスマートフォンを使いこなしている姿を目にすると、「これも時代なんだろう」と、日々自分に言い聞かせてはいますが、やっぱり気になって仕方ないのは、私だけでしょうか?みんな、おうちでどんなふうに過ごしているのかなぁ?
子どもは生まれて10年もたつと、親と触れ合うことも、見つめ合うことも、感情を率直に伝えてくることも随分と減ってしまいます。いつもと違う子どもの変化を、語り合わずに感じることで越えていく思春期。それを知ってしまっている世代からすると、現代の幼い子どものデジタル生活を見ると、もったいないような気がしてならないのです。
ですから今回は、そういうおばあちゃん世代の私から、今、まさに子育て奮闘中のみなさんに、この本をおすすめします。この本には、あかちゃんと遊ぶ「あそびうた」が紹介されています。「あそびうた」って、知ってると本当に助けられます。「あそびうた」は、短い時間であっという間に楽しめちゃうから、お仕事に復帰したばかりのママにもぴったりだと思います。ページの下の方に、遊び方や楽しみ方、年齢ごとのバリエーションなどの解説がついています。解説もシンプルで短く、読みやすいです。この本、ぜひ、あかちゃんのお昼寝の間にでも、気楽に読んでみてほしいです。
キャッキャと声をたてて笑うあかちゃんと見つめ合って、その小さな手や、ふくふくとした頬に触れる時間がくれる、あたたかいもの。それが、親子互いの中に充填されていくのを感じてもらえるといいなぁ。ぜひ一度、「あそびうた」を試してみてください。泣いたり笑ったりの子育て。特にあかちゃんの頃は、大変だと思います。上手になんて育てなくていいと思うんです。正解なんてないのですから。「あたたかく育む」。もう、それだけで最高!なんじゃないかな?
今回ご紹介した本

『あかちゃんとお母さんのあそびうたえほん』
編:小林 衛己子
絵:大島 妙子
のら書店
profile

芳野仁子(よしののりこ)さん
子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/