『「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑 工作編』

『「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑 工作編』

書店「からすのほんや」店主・からすちゃんが選ぶ、子どもと、本と(29)


寒い季節。お部屋で過ごす時間が多くなりますよね。時には、時間を持て余しちゃうこともあるのではないでしょうか?

私の身近にいる子どもたちは、ストーブの周りで遊んでいます。小学生は「糸電話」でワイワイ。中学生は、何やら真剣な様子。近づいてみるとトランプタワーの2段目に挑戦中。みんな、遊びに真剣です。実は、この2つのあそび。今回紹介する楽しい実験が52点紹介されている本にも掲載されています。

最近よく耳にする「STEAM(スティーム)教育」。STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)の5領域の頭文字からとった造語。そう聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、極めて簡単に言うと、「知ること」と「創ること」のサイクルを生み出す、分野横断的な学びのこと。「知ること」も「創ること」も子どもたちの大好きなことですから、「STEAM教育」は、とても自然なことだと言えるでしょう。この学びから生まれるのは実社会に生かせる力。「問題解決力」や、「多角的視野」、「創造力」と言われています。これからを生きる子どもたちにとって、とても大切な力ですよね。

私も早速作ってみました。「マジックハンド」。こたつに入ったままで、いろんなものが取れて、きっと便利!と思ったからです。「マジックハンド」は「シザーリフト」の原理を使ったものなんだそうで、交差したハサミの動きに似ていて、例えば自動車整備の時に車の下での作業をする時などに使われているものです。私のぐうたらな発想がきっかけとなり作り始めた「マジックハンド」。この本の『もっと挑戦!』というコーナーには、「どうすれば、もっと上手にものがつかめるか」というヒントも載っていて、ただ一度作るだけではなく、より精度の高い工夫が施せる楽しみもあって、自分好みのマジックハンドにカスタマイズできたものが、無事に完成しました。

必要な材料も身近にあるものですし、15分から30分程度の時間で楽しめる実験工作。みなさんもぜひチャレンジしてみてくださいね。遊びはきっと「学び」そのものですから。

今回ご紹介した本

『「なぜ?」「どうして?」がよくわかる わくわく科学実験図鑑 工作編』
著:クリスティーナ・ハーカート・シュール
訳:岩田佳代子
ディスカヴァー・トゥエンティワン

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

芳野仁子(よしののりこ)さん

子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/

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