【プレゼント企画あり】わくわくのはじまり『富士山にのぼる』(増補版)

【プレゼント企画あり】わくわくのはじまり『富士山にのぼる』(増補版)

書店「からすのほんや」店主・からすちゃんが選ぶ、子どもと、本と(52)


幼い頃、父とよく登山を楽しんだ私。今は登ることもなくなりましたが、新幹線から見る富士山や、飛行機から見る奥羽山脈に、今でも胸が高鳴ります。ですから、この絵本の表紙にも、一目で惹きつけられてしまいました。
この写真絵本の著者、石川直樹さんと言えば、最年少で七大陸最高峰登頂を果たしたことで、当時話題になった方。ご存じの方も多いことでしょう。
遠くから見える富士山の写真で始まり、だんだんと富士山に近づいていきます。雪山を歩く足元。雪が軋む音。誰の足跡もない場所で、まっさらな雪を踏む感覚。誰もいない場所で、自分の足音と息遣いだけが聞こえてくる。そんな始まりです。富士山の四季、魅力、その神聖さに思いを巡らせ眠る、雪山の夜。そして、頂上から下山まで。
山と向き合ってきた著者だからこそ紡ぎだせる言葉の数々。折々に溢れる大切なメッセージを受け取りながら、共に歩いているように読み進む感覚が、胸を震わせる。読む人の置かれている状況によって、響き方がいくつもあると思います。さまざまな年齢の方に、手に取っていただきたい作品です。
最後のおまけの「冬の富士山にのぼる ぼくの装備一式」を見ていたら、久しぶりに登山にチャレンジしたくなりました。

「いつか一緒に富士山に登りたいな」と、退職後の夢を語っていた私の父は、退職後すぐに病でうまく歩くことができなくなりました。共に頂をめざすことはできなくなったけれど、この絵本を一緒に読んでみようと思う。これまで父が山で感じていた何かが、娘の私に伝えたかった言葉が、この絵本に詰まっているような気がするのです。

今回ご紹介した本

『富士山にのぼる』(増補版)
文・写真:石川 直樹
アリス館

★★今回ご紹介した本をプレゼントします★★
今回ご紹介した『富士山にのぼる』(増補版)を抽選で3名様にプレゼント!
ご希望の方はこちらからどうぞ!たくさんのご応募お待ちしています。
応募締め切り:2025年1月31日(金)23:59

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芳野仁子(よしののりこ)さん

芳野仁子(よしののりこ)さん

子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/

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