【子どもとスポーツ①】運動神経をきたえる!コーディネーション運動

【子どもとスポーツ①】運動神経をきたえる!コーディネーション運動

コーディネーション運動をご存じですか? コーディネーション運動とは、神経回路に刺激を与えることで、運動神経をきたえるトレーニングメソッドです。今から50年ほど前に、旧東ドイツでトップアスリートのために研究・開発されたトレーニング法をもとにして生まれました。
 特定のスポーツのための練習とは違い、決まったパターンはありません。その都度、異なる条件の下で、さまざまな動きに挑戦することで、「的確な判断力」と「素早く反応する力」を育てることが狙いです。計画的・継続的に取り組めば、思い通りに体を動かせるようになり、スポーツが苦手な人でも運動神経を伸ばすことが可能です。
 子どもたちのワクワクを刺激する遊びの要素もたくさん詰まっているので、楽しみながら続けられるのも魅力のひとつ。コロナ禍での運動経験の不足によって子どもたちの体力や運動能力の低下が心配されている今、ぜひ、ご家庭で取り組んでみませんか?

効果いろいろ! コーディネーション運動

頭と体を思い切り動かして脳と神経を刺激することで、体力や運動能力が向上します。メンタル面や勉強面でもさまざまな良い影響がもたらされることもわかっています。

❶ 体力・運動神経の向上
イメージ通りに体が動かせるようになり体力が向上。足も速くなります。

❷ ストレス軽減
イライラ・モヤモヤの解消や、疲労の回復が大幅に促進されます。

❸ 認知機能アップ
記憶や判断力の向上に加え、集中力も上がるので、受験生にもおすすめです。

おウチでやってみよう! コーディネーション運動の例

神経回路は「できそうでできない」動作にチャレンジすることで刺激を受けます。コーディネーション運動では、「ひとつの条件をクリアしたら、条件を変えてまたチャレンジする」を繰り返すことで、運動神経をきたえていきます。

STEP1▶スカーフ一回転キャッチ

STEP2▶お手玉クロスキャッチ

その子の様子を見ながらレベルアップしていきましょう。STEP1ができない場合は、保護者が上から落としたスカーフをつかむ運動にしてもいいですね。

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泉原 嘉郎(いずはら よしお)さん

泉原 嘉郎(いずはら よしお)さん

九州産業大学健康・スポーツ科学センター准教授。独ライプツィヒ大学でコーディネーション理論をテーマに博士号を取得。日本サッカー協会技術委員会フィジカルフィットネスプロジェクトメンバー。