vol.1 おたんじょうび 祝うということ

vol.1 おたんじょうび 祝うということ

絵本の紹介でお馴染み「からすのほんや」店主 からすちゃんと嘉麻市在住のイラストレーター maruikoちゃんの「むかし子どもだったあなたへ」


フリースクール「みんなのおうち」代表のからすちゃんと、一児のママmaruikoちゃんによる連載コラム「むかし子どもだったあなたへ」。大人になるにつれ、どこかに置き忘れてきてしまった子どもの頃の気持ちを、もう一度思い出してみませんか? 日ごろ子どもたちとふれあう中で感じている、ちょっとした子育てのヒントをお届けします。

みなさん、フリースクールって聞いたことありますか?フリースクールっていうのは、学校に行きたくても、行けない子どもたちが、さまざまな学びを通して社会的自立をめざしている居場所です。
からすちゃんが運営しているフリースクール「みんなのおうち」は、今年5周年。その記念に作ったのがこれ。


お誕生日や、出会った日のことを記録できるノートなんです。スクールでは、お誕生日を大切にしています。子どもたちだけでなく、スタッフのお誕生日もみんなでお祝いします。昼食はリクエストのメニューをスタッフが作り、ケーキはお誕生日の人以外で作ります。

みんなで作ったお誕生日ケーキ


子どもたちに「おうちでは、どんなお祝いしてもらったの?」って聞くと、たまに「お祝いしてもらってない」と答える子がいます。まさか、と思っておうちの方に聞くと、外食したり、お小遣いをあげたり、欲しいものを一緒に買いに行ったりしてくれている様子。じゃあ、なんで「お祝いしてもらっていない」と答えるのでしょうね。

子どもたちに

と聞くと


なんだそうです。 
自分の子どもの頃を思い出してみると…祖父が4月生まれの私の誕生日に合わせて実がなるように、畑でいちごを育ててくれて、そのいちごをたっぷり使った「いちごミルクジュース」が誕生日の定番。リクエストメニューは、祖母の茶わん蒸しに、からあげ、ちらし寿司。そして、母の作ったチョコレートケーキ。
ケーキを食べた後、じいちゃんが歌い出したり、出窓をステージにして私と妹で歌ったりもしていたな。今思い出しても、心がぽかぽかしちゃう。毎年、誕生日が待ち遠しかった。
子どもが求めているものは、豪華な外食でもなく、高価なプレゼントでもなく、温かな食卓を、家族みんなで囲むことなのかもしれませんね。


maruikoの子どもの頃からのお誕生日の定番はお母さんの作った春巻き。
家族みんなが大好きで、カラッとパリッとしあわせの味です。
レシピを教えてもらったところ、「そんなのザーッと適当よ」って(笑)
全て目分量なのですって。
そんなお母さんのゆるっとレシピ。お好みの味付けで作ってみてくださいね!

【材料】・豚肉 ・えび ・白菜(キャベツでもOK)・にら ・人参 ・たけのこ ・干し椎茸・生姜 ・乾燥春雨 ・春巻きの皮 ・酒 ・塩 ・サラダ油 ・ごま油 ・片栗粉
【調味料A】・塩こしょう ・砂糖 ・醤油 ・中華調味料

① 豚肉(細切り)とえびは塩と酒で下味をつけ、少し置いておく(5分程度)


② 野菜は全て千切りにしておく


③ 豚肉、えびに片栗粉をまぶしてサラダ油と生姜の千切りを入れて炒める


④ 火が通ったら野菜を入れて炒め、調味料Aで味付け


⑤ 春雨を入れて汁気を飛ばす


⑥ 水溶き片栗粉で具材をまとめ、風味付けにごま油をさっと入れる


⑦ 春巻きの皮で包む


⑧ 油でカラッときつね色に揚げてできあがり!

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

嘉麻市生まれ。子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/


maruikoさん

イラストレーター。福岡県嘉麻市出身・在住。展覧会などで作品を発表する他、さまざまな媒体のイラストやデザインを手がける。山に囲まれた小さな住宅街の小さな家で日々暮らしている。まるやまももこ名義で音楽活動も行っている。2015年に息子が生まれ現在子育て中。
ホームページ:
https://marumomo48.wixsite.com/maruiko