トングって使いまわしていいの?

トングって使いまわしていいの?

夏になり、海や山でバーベキューを計画している方もいらっしゃるのではないでしょうか。楽しくて、おいしい焼肉ですが、注意を怠るとお腹を壊したり、食中毒になることも。肉をおいしく・安全に食べるため、今回はトングの衛生について紹介します。


トングによる菌移りを調べてみました

●実験で使うもの

※今回の実験では、菌の付着を目視で確認できるように手洗いチェッカーローションを使用しましたが、菌でも同様のことが起きると考えられます。


〈調査概要〉
生肉に菌に見立てた手洗いチェッカーローション(以下ローション)を塗り、トングを介して他の食材に菌が移るのかを調べました。

ブラックライトを当てて、青く光る部分を菌に見立てたローション

ブラックライトを当てて、青く光る部分を菌に見立てたローション

 
〈調査手順〉
ローションを塗った肉をトングを使って両面を焼いた後、同じトングを使ってローションを塗ってない肉を調理し、さらにサラダも取り分けました。​​

きれいなトングを使ってローションを塗った肉、塗ってない肉を調理

きれいなトングを使ってローションを塗った肉、塗ってない肉を調理

同じトングでサラダを取り分けた

同じトングでサラダを取り分けた

 
〈調査結果〉
ローションを塗った肉を調理する際に、トングにローションが付着。その後、同じトングを使って調理した肉やサラダにも付着していました。
ローションと同様に菌もトングを介して移っていくことが考えられます。菌を死滅させるには75℃以上で1分以上の加熱が必要とされていますが、焼いている途中の肉に付着すると、死滅させるのは難しくなってしまいます。菌が移らないよう、トングの使用には注意をする必要があります。

ローションを付けてない生肉にも、トングを介してローションが移ってしまう

ローションを付けてない生肉にも、トングを介してローションが移ってしまう

ローションがサラダにも付いてしまった

ローションがサラダにも付いてしまった

まとめ

サルモネラやカンピロバクター、O157などによる食中毒は、ごくわずかな菌数(10個~100個)が体内に入るだけで発症する恐れがあります。よく焼けば大丈夫と思ってしまいがちですが、同じトングを使い続けると、焼けた肉に菌が移ってしまう可能性があるので、トングの使い回しは避け、「生肉を扱う用」「焼く用」「取り分け用」など、用途にあわせて使い分けるようにしましょう。


知っておきたい 生肉のキケン

加熱前の肉にはどんな食中毒菌がいるの?
サルモネラ、カンピロバクター、O157が代表的です。

*平成25年から平成27年度食品の食中毒菌汚染実態調査(厚生労働省)より

*平成25年から平成27年度食品の食中毒菌汚染実態調査(厚生労働省)より


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エフコープ商品検査センター「りんご館」

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